アルゼンチン戦で鍵を握るのはボランチ。球際の強さに定評のある矢田龍之介に期待。敵エースをいかに封じるか【U-17W杯】

2023年11月13日 松尾祐希

相手の攻撃力を削ぐ仕事には打ってつけの人材

高い守備力が魅力の矢田。球際の強さを「南米勢相手に発揮したい」と気合十分だ。写真:松尾祐希

 相手のエースをどうやって止めるのか。ボランチの組み合わせが勝負の肝になる。

 U-17ワールドカップのグループステージ(GS)初戦でポーランドに勝利した日本は、14日にアルゼンチンとの第2戦に臨む。現状では、初戦でアルゼンチンを下したセネガルと同じ勝点3ながら、得点数で下回り、グループ2位につけている。

 南米の雄から勝点3を奪えれば、ノックアウトステージ進出にグッと近付く。仮に引き分けに終わっても勝点4で最終戦に挑めるだけに、最低でも1ポイントは欲しい。

 13日の前日練習は冒頭15分のみ公開。トレーニング後、森山佳郎監督は「アピールしてくる奴、活きの良い奴を出していきたい」と話し、フレッシュな選手の活躍を切望。初戦で出番がなかった選手もやる気に満ち溢れており、アルゼンチン戦での出番を今や遅しと待ち構えている。

 一戦必勝で戦うのはもちろん、大会を勝ち上がっていくためのマネジメントも必要不可欠。初戦で出場したメンバーの疲労度を見ながら、第2戦では数名の選手を入れ替えて戦うことが予想される。

 指揮官がどのようなメンバーをチョイスするか注目が集まるなか、ポイントになりそうなのがボランチの起用法だ。

 すでに1敗のアルゼンチンだが、難敵であることに変わりはない。フィジカルと技術に長けており、4-2-3-1のシステムをベースに推進力を持った攻撃を仕掛けてくる。日本に敗れればGS敗退が現実味を脅えてくるだけに、背水の陣でよりアグレッシブに挑んでくるだろう。
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「全員ボールを持てて、身体も強いし、体幹もある。1対1で簡単に負けたり、ワンツーについていけないと、完全に相手のゲームになってしまう」

 森山監督も警戒を強めているなかで、いかに中盤で主導権を握れるか。ボランチは初戦で先発したMF中島洋太朗(広島ユース)、後半開始からピッチに立ったMF山本丈偉(東京Vユース)、球際の強さに定評のあるMF矢田龍之介(清水ユース)が候補になるが、期待したいのは矢田だ。

 相手のエースでトップ下の10番クラウディオ・エチェベリを封じることを考えれば、矢田の守備力に賭ける価値はある。スタートから起用しなかったとしても、途中から入ってクローザーの役割も期待できるだけに、相手の攻撃力を削ぐ仕事には打ってつけの人材だ。

 矢田も意気込みは十分で、対応に自信を見せている。

「(エチェベリは)ターンが上手いし、ポジショニングも自由に取りながら良いところに入ってくるイメージ。10番の選手を(パスが入ってこないように)自分の背中で消すのか、センターバックに任せるのか。コミュニケーションが取れていれば、消せるとは感じている」

 スタメンでも途中出場でも自分の仕事をやるだけ。「球際は今までの代表活動でやってきたことなので、南米勢相手に発揮したい」という矢田がどのようなプレーを見せるのか注目したい。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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