【セルジオ越後】日本代表のベストメンバー選出は当然。公式戦でサプライズがあってはいけない。登録より多い26人招集も妥当だよ

2023年11月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

新たな選手や若手の抜擢は親善試合

勝って当たり前のアジア2次予選。日本サッカーが盛り上がるようなニュースを聞きたいね。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 ワールドカップのアジア2次予選を戦う日本代表のメンバーが発表された。

 負傷した板倉らが入らなかったけど、10月シリーズではコンディション不良で外れていた鎌田や堂安らが復帰した。予定通りといった感じで、今の代表にふさわしいメンバーが選ばれた印象だ。

 日本と対戦国のレベル差が大きいアジア2次予選とはいえ、公式戦はどんな相手であってもベストメンバーで臨むのが基本だ。だから、サプライズがあってはいけない。ましてや、来年1月にはアジアカップが控えているしね。

 主軸を休ませ、新たな選手や若手を抜擢するのは親善試合で行なうべきで、その議論をするのは、今ではないと思う。Jリーグからは4人、フィールドプレーヤーは2人のみの選出だったものの、負けが許されない戦いだから仕方ないね。

 一部で懸念されているヨーロッパでプレーしている選手のコンディションについては、登録の23人よりも多い26人の招集によって、調整できるだろう。

 ミャンマー戦の直前までヨーロッパでは試合があるし、守田ら状態が心配な選手もいる。シリア戦でのターンオーバーも予想され、人数が必要になるから、26人を呼んだのは妥当だと思う。

 メンバーのキャリアを見てみると、ゴールキーパーのAマッチ出場数は、たしかに少ない。大迫は6試合、鈴木は2試合、前川は0試合。ただ、心配はない。大事なのは、試合数よりも内容だからだ。
【PHOTO】ついに始まるW杯アジア2次予選、ミャンマー&シリア戦に挑む日本代表招集メンバー26人を一挙紹介!
 
 試合に出ても、日本の圧勝であまりシュートが飛んでこないならば経験は小さいし、相手の質の方が、より重要だ。また、大迫は東京オリンピックにも出ているし、今回は心配ないだろう。

 板倉が不在で人数が減ったセンターバックも、大丈夫ではないか。冨安はもちろん、谷口や町田でも相手を十分抑えられるだろう。アジア2次予選で攻め込まれるとは考えにくいし、負担はそれほど大きくないはずだ。

 森保監督による選考には納得できたけど、ワールドカップの予選方式には大いに疑問だ。アジアの出場枠が8.5というのは、あまりにも多すぎる。

 今夏の女子ワールドカップでも、出場国枠を増やしたせいかレベル差が顕著に出てしまい、大味なゲームも見られた。同様に最終予選がどうなってしまうか、気がかりだ。

 勝って当たり前、勝たなくてはいけない日本代表には、内容を求めたい。もちろん勝利以上の結果も必要だ。大量点、前線の選手によるハットトリック以上の得点とか、日本サッカーが盛り上がるようなニュースが聞きたい。

 日本の強さを発揮し、勝負にならないところを見せつけ、「アジア2次予選の方式は今のままでいいのか?」といった議論につながるような圧勝が見たいね。

【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、78歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。

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