「たとえ接触がなくても...」川崎GKの“PK献上”判定は妥当? 家本元審判員が見解「反則を取られても致し方ない」

2023年10月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

膝の接触は相手の手

PKの判定に抗議をするGKのチョン・ソンリョン(赤)。(C)2023 Asian Football Confederation (AFC)

 判定は妥当だったのか。

 DAZNが配信した『Jリーグジャッジリプレイ』最新回で、アジア・チャンピオンズリーグのパトゥム・ユナイテッド対川崎フロンターレ(2-4)でのGKチョン・ソンリョンのファウルが取り上げられ、元国際審判員の家本政明氏が見解を示した。

 問題のシーンは79分。ロングボールをキャッチした川崎のチョン・ソンリョンが、プレスにきていた相手からボールを守ろうとした際、上げた右膝が相手に接触したとして、ファウルに。

 チョン・ソンリョンにはイエローカードが提示され、ペナルティエリア内だったためパトゥム・UにPKが与えられた。またVARの介入はなかった。

 家本氏は、主審の立ち位置では、どの程度の接触があったのか把握しきれないため、副審からインカムで主審に助言があり、ファウルと判定されたと推測。そのうえでジャッジについて、こう分析した。
【動画】川崎GKのPK献上シーン
「反則かどうかは、難しいところですが、厳密に競技規則の文言で考えた時、反則を取られても致し方ない可能性があります。ソンリョン選手の右膝が、やや相手の方向に向かっているように見えて、もし本当にブロックだけだったら、もう少し膝を内側に畳む、もしくは体勢を横に向けるという方法もある。

 たとえ接触がなくても、相手に威嚇行為をしたと判断できなくもないので、反則の判断が大きく間違っているとは、競技規則上は言えないという印象です」

 リプレーでは、チョン・ソンリョンの膝が当たったのは相手の手のように見える。しかし、これが危険なアクションだったとして、PKの判定に。

 試合の勝敗にも繋がりかねない重要な事象だったにもかかわらず、VAR介入がなかったことに家本氏は、「接触の程度は小さいかもしれないですけど、膝が相手競技者のほうに向けられている事実があるので、明白な間違いだと言い切れない。なので、VARは介入しないケースだと思う」と語った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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