「タケがボールを持つと静寂」ベンフィカファンを恐怖に陥れた久保建英、ソシエダ番記者が“メッシ級”の活躍と絶賛!「ポルトガルメディアも称賛していた」【現地発】

2023年10月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

ナイフでバターを切るようにベンフィカの脇腹を貫いた

CLベンフィカ戦でキレキレのプレーを連発した久保。(C)Getty Images

「チャンピオンズリーグには、自分たちが戦えると思って臨むものだ。ただピッチを見て、勝点ゼロで帰ってくるような遠足気分で臨みたくはない。僕の考えはグループステージを突破すること。ここにいる全員がそのことを念頭に置いていると思う」

 アノエタで行なわれたチャンピオンズリーグ(CL)初陣のインテル戦を控え、タケ・クボ(久保建英)が口にしたこの言葉は、快進撃を続けるレアル・ソシエダのドグマになっている。

 加入してわずか数か月後で、チームの顔となった日本人MFの活躍にも後押しされ、世界で最も慈愛に満ちたソシエダの3500人以上のファンが、サン・セバスティアンとリスボンの両都市を隔てる800キロ以上の道のりを踏破し、ベンフィカのホームスタジアム、エスタディオ・ダ・ルスに押し寄せた。

 イマノル・アルグアシル監督は試合前日に「我々が目ざすのはあくまで勝利だ。引き分け狙いでここに来たのではない」と強調していたが、イレブンはその要求に応えた。ベンフィカ戦でのパフォーマンスは傑作の呼び声が高かった前節のザルツブルク戦をさらに上回るものだった。

【動画】「決まっていれば、僕は王様だった」CLでもキレキレ!久保のバー直撃シュート
 タケもまたパフォーマンスを上昇させた1人で、試合後、クロスバーを直撃したシュートを「決まっていれば、僕は王様だった」と、いつものように自信たっぷりに振り返った。全くその通りで、フィニッシュの精度に難はあったが、圧巻のパフォーマンスだった。

 股の間にボールを通しながら、反転して対峙するダビド・ユラーセクを欺いたファーストプレーからエンジン全開だった。タケがボールを持つたびに、静寂が支配したエスタディオ・ダ・ルスの様子が、相手に与える恐怖を表現していた。

 その後もナイフでバターを切るように何度も何度もベンフィカ守備陣の脇腹を貫いた。7分には、ミケル・メリーノのパスを受けてサイドネットに外れるも、シュートを放ちゴールへの強い意欲を示した。

30分、ブライス・メンデスのボール奪取の後、枠を捉えることができず、35分にもメンデスのパスからドリブルでボックス内に侵入。逆サイドでアンデル・バレネチェアがフリーの状態であったにもかかわらず、果敢に放ったシュートは相手CB、アントニオ・シウバがブロック。左腕に当たりPKに見えたが、主審の笛は鳴らなかった。

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