受賞者が喜びの声。大混戦のなでしこLを制したオルカ鴨川、指揮官・野田朱美は「鈴木陽を中心にブレずにやりました」

2023年10月26日 西森彰

攻撃だけでなく、守備のレベルアップにも注力

1部のMVPに輝いた鈴木。「みんなの力があって優勝できた」。写真:西森彰

 10月25日、都内で2023プレナスなでしこリーグの表彰式が行なわれ、リーグを沸かせた選手たちが、登壇し、表彰を受けた。

 1部は、1位から6位までが勝点10差の中にひしめく大混戦となった。優勝はオルカ鴨川FCで、22試合を戦って12勝8分2敗の勝点44。野田朱美監督のもと、昨シーズンから攻撃だけでなく、守備のレベルアップにも注力。MVPに輝いた鈴木陽から始まる、前からの守備で、失点はリーグ最少の18点。「共に戦う」地元のサポートを受けながら、先頭でゴールを切った。

野田朱美監督

「ベレーザ時代にカップ戦を1回勝っただけで、その後は、指導者としての壁に当たっていた。自分がやってきたサッカーをするのではなく、目の前にいる選手たちと一緒に、結果にこだわった2年でした。最後まで苦しかったですけれども、守備戦術を構築しながら、優勝できたのが嬉しい。攻撃についても、去年、残留が早々に決まった後「攻撃的に行くよ」ってパターン練習を含めてすごくやっていて、昨季は得点にはつながらなかったところでも、ある程度の攻撃パターンを植え付けることができていた。それを、鈴木陽を中心に共有して、ブレずにやりました」

最優秀選手賞、ベストイレブンの鈴木陽

「(MVPは)さっきまで知らなかったので、本当に嬉しいです。去年、悔しい思いをしてきたので、その分も嬉しかったです。チーム全体で前線からの守備をするなかで、最初のディフェンダーがフォワードなので、そのあたりで自分の長所であるチェイシングを出しました。(ボールを追いかけるのが)しんどいという気持ちよりも、ボールを奪いたいという気持ちが強いので。私がなかなか点を取れなかったシーズン序盤をはじめ、本当にいろいろな選手が点を取ったと思うので、みんなの力があって優勝できたなと思います」
 
キャプテンで2年連続ベストイレブンの浦島里紗

「先ほどの表彰式でようやく優勝を実感できました。簡単に勝てる試合は一つもなくて、なんとか引き分けたり、逆転した試合もありました。そんな苦しいなかでも、最後まで優勝を諦めずに全員が戦ったなというシーズンでした。(WEリーグと分かれて3シーズン目は)個のレベルが、年々上がっているというのを実感していますし、頑張る選手も増えてきました。また、私自身はなでしこリーグ7年目ですが、ファン・サポーターの数も増えてきたと思います。オルカについて言えば「地元の方々とともに戦う」というのがチームのスタイルですし、地元の方々に出店していただいたり、会場に足を運んでいただいたりというのが、私たちの力になっています。そういう部分で運営の方々にも、とても感謝をしています」

リーグ最少の18失点でベストイレブンの田谷春海

「選手全員が頑張ってくれたことで、自分もゴールを割らせないという気持ちになれました。後ろから見ていて、対人プレーの強さ、連係というのは、練習から、日々やってきていた部分を感じました。いつどんな時でも「春海がいるから大丈夫」とゴールを任せてくれた人たちには感謝したいですし、フィールドプレーヤーも自分のコーチングで動いてくれたので、リーグ最少失点で守れたと思います」

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