［ルヴァンカップ準決勝・第２戦］名古屋グランパス ０－１ アビスパ福岡／10月15日／豊田スタジアム

　タイムアップの瞬間、福岡の選手たちが拳を突き上げた一方、名古屋の選手たちは崩れ落ちた。

　ルヴァンカップの準決勝。アウェーでの第１戦に続き、ホームで迎えた第２戦も０－１。２戦合計０－２で敗退となり、一時は３冠を狙える状況にありながら、天皇杯はベスト８で敗れ、リーグ戦でも６位に甘んじ、事実上、今季のタイトル獲得の夢は潰えた。その悔しさは計り知れない。

　試合後、前田直輝に声を掛けると、今夏に復帰した28歳のレフティは10秒以上の沈黙の後、「ガキみたいなこと言いますけど」と切り出し、こう口にした。

「振り返れないぐらい、悔しいです。３冠を狙える位置から、現実、タイトルってところはあと１つ（ルヴァンカップのみ）になってしまって、そこに懸ける思いはみんな強かったと思うし。個人的にも...加入してから勝ててない状況が続いているので、悔しい以外、何物でもないですね」
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　ゴール裏のサポーターに挨拶した際は、大ブーイングが飛んだ。

「当たり前だと思うし、それだけ皆さん、期待してくれてたのに。僕が加入してから本当に勝てない状況が続いているので、責任を感じてるって言ったら、言い方がおかしいかもしれないですけど、別に自分のせいとも言わないし。でも少なからずやらなきゃいけないことは山ほどあるので。それをやれてない自分に悔しさがあります」

　今季の残りはリーグ戦の５試合。直近５戦未勝利、11戦でわずか１勝と大不振の名古屋は、フラストレーションを溜め込むサポーターを笑顔に変えられるか。

取材・文●有園僚真（サッカーダイジェストWeb編集部）

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