「カメレオン的なチームになりつつある」三笘薫や久保建英がピッチにいなくても躍動した日本は恐ろしい集団になった【コラム】

2023年10月14日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

修正力が際立った前半の戦いぶり

チームの底力を示した森保ジャパン。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 カナダ代表を4-1で下した試合で、キャプテンの遠藤が課題のひとつに挙げたのが「1点取ったあとからPKを与えるまでの時間帯の戦い方」だった。

「相手がビルドアップのところで人数をかけて動かしてきた時、自分たちが行くか行かないかで中途半端になって後手に回ってしまった」

冨安も「ハマっていなかった」と言うとおり、日本がカナダに押し込まれる時間帯は確かにあった。「1点取れたが故の隙を見せてしまった」というのが遠藤の感覚だった。

しかし、「VAR判定時に話して修正できた」との遠藤の証言とおり、GK大迫がPKを止めてからは日本ペースになる。4-1-4-1システムのインサイドハーフでスタートした田中がボランチに降りて敵2シャードの一角をケアするなどして、日本は守備のバランスを整えたのだ。

 そこから前半終了までの戦いぶりは見事で、39分、42分に加点。前半のうちに3-0として、勝利をグッと引き寄せたのだ。冨安を下げるなど後半はよりテスト色が強くなった印象だが、修正力が際立った前半のチームパフォーマンスは評価に値した。

【動画】中村が追加点をゲット!
 田中をボランチにするプランは、試合前からあった。遠藤も次のように証言する。

「カナダは監督が代わって、アンカーなのか、2ボランチ気味で来るのか分からない部分があったので、ある程度チームとして準備しましたね、守備で2ボランチにするというのは」

 短い準備期間の中でチームとしてまとまるのは、言うほど簡単ではない。個々の技術はもちろん、相互理解、戦術理解度もなければ組織力は向上しないだろう。

「決まった形があるわけではないけど、戦術の幅というか、こうなったらああだよねみたいな臨機応変さをチームとして持てている。日本人選手はそもそも戦術理解力が高いので、少しの修正でまとまることができる。(日本は)カメレオン的なチームになりつつある」  

三笘や久保がピッチにいなくても躍動。もちろん後半に1失点するなど課題はある。とはいえ、だ。

 かつて左サイドバックの都並ひとりが大怪我しただけで絶望感があったオフトジャパン時代から30年、日本は恐ろしい集団になった。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

【PHOTO】チケット完売!デンカビッグスワンスタジアムに集結した日本代表サポーターを特集!

【PHOTO】デンカビッグスワンスタジアムに集結し、熱い声援を送った日本代表サポーターを特集!(Part2)

「"脱アジア級"モードを披露」日本のカナダ4発圧勝に、韓国メディアも感嘆!「クリンスマン号には負担になる」
 

次ページ【動画】中村が追加点をゲット! ※投稿の白地部分をクリック

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事