【セルジオ越後】明確な実力差があったカナダ戦。5連勝? まったく喜べないし、強化にもならないレベルの相手だった

2023年10月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

このカナダならば、アジアの強豪国のほうが強い

MOMは田中。ただ、高い位置を取れたのは相手との実力差があったからだ。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 日本代表がカナダ代表に4-1で勝利した。

 森保ジャパンにとっては、楽な試合だったね。田中の先制点、相手のオウンゴール、中村の追加点で、3-0になった前半の時点で決着がついてしまった。

 最新のFIFAランキングで日本は19位、カナダは44位。その順位の通り、明確な実力差があった。日本の良さが出て、プレスをかければチャンスに持ち込めたし、1失点はしたけど、ピンチも数える程度だった。

 残念ながら、このレベルの相手では、日本が目標とするワールドカップのベスト16突破の訓練にはならないよ。決勝トーナメントで、カナダのような国と対戦することはないからね。

 カナダは、特にセンターバックとゴールキーパーの守備陣がウィークポイントで、ボール回しも上手くなかった。攻撃でもすぐにボールを下げたり、フォワードのポストプレーの後にミスが起きたり、効果的なプレーがあまり見られなかった。
 
 バイエルンで活躍しているデイビスも、劣勢のなかでのプレーを強いられていた。持ち前の攻撃力は発揮しきれず、そんなに目立っていなかった。前半に鋭い抜け出しでPKを獲得したけど、シミュレーションにも見える微妙な判定だった。

 今日のカナダであれば、1月のアジアカップで頂点を争うだろう韓国、サウジアラビア、イラン、オーストラリアのほうが強かったんじゃないかな。アメリカ、メキシコとの共催となる次回のワールドカップに、カナダは開催国枠で出場できる。でも、国際大会で結果を残せていない。もしも、本大会のグループステージで日本が同組になったらラッキーだね。そう思うほどの低調なパフォーマンスだった。

 日本は、三笘や鎌田らが不在だったけど、この相手ならばまったく問題ないね。もっとメンバーを落としても勝てていたと思う。1-0の場面で大迫のPKセーブは見事だったけど、もし追いつかれて流れが変わっていたとしても、最終的には勝利できていたのではないかな。

 マン・オブ・ザ・マッチを選ぶなら、田中だろう。後半にも1点を取って、2ゴールの活躍ぶりだ。ただ、2つのゴールともに中盤の彼が、フォワードのような高い位置を取れていた。どちらかと言えば守備的なタイプだと思うけど、あれだけ攻めまくることができていたのは、カナダとの実力差を象徴しているよね。
 

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