「代表での悔しさは代表で晴らすしかない」
U-22日本代表の鈴木。現地14日には強化試合でU-22メキシコ代表と対戦する。写真:松尾祐希
今から4年前。当時、磐田U-18でプレーしていた鈴木海音はブラジルにいた。忘れもしない2019年の11月6日。ブラジルの首都・ブラジリアで行なわれたU-17ワールドカップのラウンド16でメキシコと戦っていた。
キャプテンの半田陸が負傷欠場となり、代わって右腕に腕章を巻いた鈴木は、CBとして奮戦。キックオフ直前に叩きつけるような雨と雷鳴が轟く状況になったが、懸命に相手に食らいついた。
しかし、結果は0−2の敗戦。特に0−1で迎えた74分のプレーは悔いが残り、今でも脳裏に焼き付いている。カウンターを村上陽介と止めにいったが、間合いを詰めきれずに一瞬の隙を突かれてミドルシュートをねじ込まれた。
「絶対にこの悔しさは忘れない」
試合後のミックスゾーンでは誰よりもうなだれ、流した涙に嘘偽りはない。
あれから長い時間が経った。17歳だった鈴木は21歳となり、ひとりのフットボーラーとして一歩ずつ歩みを進めてきた。トップチームに昇格してからは安定して出場機会を得られていないが、今はU-22日本代表の一員で来夏のパリ五輪出場を目ざしている。
大岩剛監督が率いるチームではコアグループに属し、CBのポジションでレギュラーを争う立場。そうした状況下で迎えた今回のアメリカ遠征は今まで以上に、自分の現在地を知るうえで重要な場になる。14日(日本時間15日7時キックオフ)の遠征初戦でU-22メキシコ代表と対戦するからだ。
鈴木は「海外遠征をする度に自分の現在地を図れる」と前置きをしたうえで、今回のメキシコ戦に向けて、当時を振り返りつつ意気込みを口にする。
【PHOTO】U-22メキシコ&U-22アメリカと対戦!アメリカ遠征に臨むU-22日本代表のメンバーを一挙紹介!
キャプテンの半田陸が負傷欠場となり、代わって右腕に腕章を巻いた鈴木は、CBとして奮戦。キックオフ直前に叩きつけるような雨と雷鳴が轟く状況になったが、懸命に相手に食らいついた。
しかし、結果は0−2の敗戦。特に0−1で迎えた74分のプレーは悔いが残り、今でも脳裏に焼き付いている。カウンターを村上陽介と止めにいったが、間合いを詰めきれずに一瞬の隙を突かれてミドルシュートをねじ込まれた。
「絶対にこの悔しさは忘れない」
試合後のミックスゾーンでは誰よりもうなだれ、流した涙に嘘偽りはない。
あれから長い時間が経った。17歳だった鈴木は21歳となり、ひとりのフットボーラーとして一歩ずつ歩みを進めてきた。トップチームに昇格してからは安定して出場機会を得られていないが、今はU-22日本代表の一員で来夏のパリ五輪出場を目ざしている。
大岩剛監督が率いるチームではコアグループに属し、CBのポジションでレギュラーを争う立場。そうした状況下で迎えた今回のアメリカ遠征は今まで以上に、自分の現在地を知るうえで重要な場になる。14日(日本時間15日7時キックオフ)の遠征初戦でU-22メキシコ代表と対戦するからだ。
鈴木は「海外遠征をする度に自分の現在地を図れる」と前置きをしたうえで、今回のメキシコ戦に向けて、当時を振り返りつつ意気込みを口にする。
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「(U-17W杯)はめちゃくちゃ優勝したい大会でもあったし、自分が最初に代表に選ばれた頃から目標にしていた大会でもあった。なので、(今振り返るとメキシコ戦は)本当にあっという間に終わってしまったというか…。自分たちは調子が良かったのでいけると思っていたからこそ、そこで緩みが出たと感じていたし、個人としても少しそういうところがあったからこそ、プレーに出てしまったのかなと。
あの試合は経験として次に繋げないといけない試合だと思うけど、経験と言っているだけでは次もまた起こってしまう。『絶対にこういうことがないようにする』。あの時は高校生でプロにもなっていないけど、それは強く思ったし、本当にターニングポイントになった部分でもある。
(ブラジルから)帰った後もあの悔しさは頭に残っていて、練習からギラギラしたような気持ちでしかサッカーをやっていなかった。悔しい想いをしたからこそ、(A代表の)ワールドカップで悔しさを晴らしたいという想いがあるし、今度はオリンピックがあるので(U-17W杯の)悔しさをそこで晴らしたい。
やっぱり、代表での悔しさは代表で晴らすしかない。今回は親善試合だけど、そういうところでも負けないようにしたい」
フットボーラーとして初めて挫折を味わったからこそ、成長を続けてきたのは事実だろう。だが、「メキシコ戦の経験があったから今がある」と胸を張って答えられるかと言うと、決してそうとは言い切れない。
確かに代表には継続して呼ばれているが、9月のU-23アジアカップ予選は本大会行きが懸かる最終戦で出場機会を得られなかった。所属クラブでも今季21試合に出場している一方で、直近はベンチから外れる試合も多い。停滞している自分の成長スピードを再加速させるためにも、今回のメキシコ戦は重要な一戦になる。
「すごく楽しみ」とは鈴木の言葉。自分の現在地を知るためにも、成長するための新たなエネルギーを得るためにも、14日の一戦は負けられない。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)
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(ブラジルから)帰った後もあの悔しさは頭に残っていて、練習からギラギラしたような気持ちでしかサッカーをやっていなかった。悔しい想いをしたからこそ、(A代表の)ワールドカップで悔しさを晴らしたいという想いがあるし、今度はオリンピックがあるので(U-17W杯の)悔しさをそこで晴らしたい。
やっぱり、代表での悔しさは代表で晴らすしかない。今回は親善試合だけど、そういうところでも負けないようにしたい」
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