アジア大会で優勝したのに...。なぜパリ五輪予選に抜擢されたのは千葉玲海菜のみだったのか。見逃せない“縛り”の存在【なでしこジャパン】

2023年10月10日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

選手のモチベーションにも言及

10月にパリ五輪予選に臨む池田監督。写真:サッカーダイジェスト

 2023年10月10日、なでしこジャパンの池田太監督がパリ五輪アジア2次予選に臨むメンバーを発表。9月のアルゼンチン戦から三浦成美、宝田沙織が外れ、代わりにアジア大会で活躍した千葉玲海菜が復帰した。結局、女子ワールドカップを戦ったメンバーから大きな変更はなかったわけだが、それでも池田監督は選手選考において「毎回、毎回いろんなことを考えて悩みます」とコメントしている。

「新しい競争、これから育ってくる選手たちを踏まえてベースアップ、さらなる成長を含めてどんなメンバーで戦っていくのがいいのかは常に考えています。今回の2次予選は中2日という短期間で行なわれる事情もあり、戦術理解がある程度進んでいるメンバーで戦うのもひとつのアイデアなので、こうしたメンバーになりました」

 メンバーの登録条件は22名とはいえ、ここでひとつの疑問が浮かぶ。先のアジア大会で優勝したにもかかわらず、そこから抜擢されたメンバーがなぜ千葉ひとりなのか。

 実は、今予選のメンバー登録締め切りがアジア大会のかなり序盤という影響もあり、女子ワールドカップとほぼ同じ顔ぶれとなったのだ。もしその"縛り"がなければ、あるいはもう少し違ったリストになった可能性はある。事実、池田監督も次のように述べていた。

「今回はタイミング的に呼べる、呼べないという兼ね合いはありました。次の代表活動にはチームを底上げしてくれる、またオリンピックに向けて新たなパワーを与えてくれる選手を呼べれば。もちろん(扉が)閉ざされているわけではないので、そこは常に考えています」
 
 そして、「アジア大会で活躍しても選ばれなかったことで選手のモチベーションに影響が出るのではないか」との質問に対して、池田監督ははっきりとこう言った。

「それでモチベーションを落とす選手は、なでしこのグループに入れない」

 池田監督なりの檄だろう。アジア大会で活躍した選手がここから継続的に活躍することを願う、そんなメッセージが込められたコメントでもあった。

 ちなみに、なでしこジャパンは今予選で10月26日にインド、10月29日にウズベキスタン、11月1日にベトナムと戦う。開催地はウズベキスタンになる。2次予選は各組の1位と各組2位のうち成績最上位のチームが来年2月の最終予選に進む。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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