ACLから中3日、甲府はなぜ清水の強力攻撃陣を抑えられたのか。敵地で価値あるドロー、CB蓮川壮大は「最後は“面”で守れていた」

2023年09月25日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「得点王だけどJ2の選手なので。負けない気持ちだった」

T・サンタナ(右)に決定的な仕事をさせなかった蓮川(左)。写真:福冨倖希

[J2第36節]清水 0-0 甲府/9月24日/IAIスタジアム日本平

 ヴァンフォーレ甲府は9月24日に行なわれたJ2第36節で、清水エスパルスと0-0で引き分けた。

 得点は挙げられなかったものの、昨季のJ1得点王であるFWチアゴ・サンタナや、元日本代表MFの乾貴士らを擁し、ここまでJ2でトップの64得点をマークしている清水に、最後までゴールを割らせなかった。

 完封に大きく貢献したのが、CBでフル出場したDF蓮川壮大だ。途中出場した敵地開催のACL初戦(メルボルン・シティ戦/0-0)から中3日で、持ち前の対人守備を発揮し、マッチアップしたT・サンタナに決定的な仕事をさせなかった。

 試合後、取材に応じた蓮川は、「(CBでコンビを組んだ井上詩音と)ちゃんと最後、中を締めて『2人で守ろう』と話していた。ピンチもあったけど、比較的、中を締めてやれていた」と明かす。強力攻撃陣への対処にも自信を見せた。

「進入されたシーンもあったけど、最後は"面"で守れていた。こういう守備ならば、なかなか失点しない。最後の最後を粘り強く。特に、後ろの選手なので前に声をかけながら。プレスも前半は結構ハマっていた。それを90分間、続けられるのがベスト」
【PHOTO】敵地・IAIスタジアム日本平に集結したヴァンフォーレ甲府サポーターを特集!
 T・サンタナとの対決には、「もちろんJ2の選手だから、絶対負けてはいけない。得点王だけどJ2の選手なので。負けない気持ちだった」と振り返った。

 一方、チーム、自身ともに堅守を存分に見せつけたが、勝点3には届かなかった。攻撃については、こう語る。

「少ないチャンスで点を取るのがマスト。少ないチャンスでしっかり決め切ることが勝点3につながる。日頃の練習から、最後の質にこだわってやっていかないといけない」

 また、劣勢時には「押し返すサッカー、プレーの選択は改善が必要」と課題を挙げた。

 2試合連続ドローで、4戦無敗となった甲府。現在9位で、J1昇格プレーオフ進出も視野に捉える。次戦は9月30日、ホームで水戸ホーリーホックと相まみえる。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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