「戦闘状態で飛べなかった」日本に8失点惨敗のアルゼンチン女子代表が直面した“2大トラブル”が判明!「結果に議論の余地はないが…」と現地紙

2023年09月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

主軸7名を擁するボカが女子リベルタドーレスに参戦

大敗を喫したアルゼンチン女子代表だが、最後まで諦めずに90分間を戦い抜いた。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 北九州の地で驚愕のゴールラッシュを決め込んだ。

 9月23日、北九州スタジアムで行なわれた国際親善試合で、なでしこジャパンはアルゼンチン女子代表と対戦。終始攻守両面に渡って相手を圧倒し、8-0の大勝を収めた。
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 最新のFIFAランキングで見れば、8位(日本)と31位(アルゼンチン)の顔合わせだ。アルゼンチンの選手たちはガッツ溢れるパフォーマンスを随所で披露したものの、コンディションや連携の面で問題を抱えている様子だった。8月の女子ワールドカップにも出場しており、勝利こそ挙げられなかったがスウェーデン、イタリア、南アフリカに善戦(1分け2敗)。日本戦ではその実力を発揮し切れなかった。

 試合後、チームを率いるヘルマン・ポルタノバ監督から聞こえてきたのは意外な事実だった。「我々はやれるだけのことはやった」と前置きしつつ、「言い訳はしたくないが、我々は長時間の移動と主力選手7名を招集できない事態に追い込まれていた。結果的に相手に大きなアドバンテージを与えた」とコメント。そのうえで「彼女たち7名がいたら…もう少し良い内容のゲームができたのではないかと思う」と悔やんだ。

 そんななか、アルゼンチン全国紙『Clarin』が日本戦のマッチレポートを掲載。「さすがは日本だった。女子ワールドカップで優勝したスペインを相手に、グループステージで4-0の勝利を飾ったチーム。アルゼンチンは福岡で開催されたゲームでまるで歯が立たなかった」と評した。

 一方で、「結果そのものに議論の余地はないが、アルゼンチン女子代表が不運に見舞われたのは間違いない」と指摘。"2大トラブル"の詳細に関して、次のように説明している。

「代表の主力選手7名はボカ・ジュニオルスに所属している。10月5日から21日までコロンビアで女子のコパ・リベルタドーレスが行なわれるが、その大会にエントリーしているボカの選手たちの招集が認められなかったのだ。
 
 さらに、チームは月曜日の午後にエセイサ(アルゼンチン)を出発し、フランクフルト(ドイツ)に向かった。しかし、ナゴルノ・カラバフ地域の支配権を巡ってアルメニアとアゼルバイジャンの間で紛争が勃発する。戦闘状態のために急きょアルメニアの上空を飛行できなくなり、フランクフルトに引き返したのだ。欧州でプレーする選手たちは直行便で東京に向かっていたが、フランクフルトを経由した選手たちは遅れに遅れ、日本戦の前日にチーム全員で福岡入りする羽目になったのである」

 かなり身体的にも精神的にも負荷がかかる移動を強いられていたようだ。

 それでもポルタノバ監督は「こういった敗戦を通じて、アルゼンチンの女子サッカーはアグレッシブに挑んでいく必要がある」と前を向いた。アルゼンチン女子代表は10月20日から11月5日までサンティアゴ・デ・チリで開催されるパンアメリカン大会に出場する予定だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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