ロングフィードも見せる
アンカーとして先発した橘田。幅広く動き、パスも展開した。写真:福冨倖希
[J1第27節]川崎 1-0 FC東京/9月15日/等々力陸上競技場
あれはFC東京戦の9日前。アウェーでC大阪に完敗し、リーグ戦は2分4敗と6戦未勝利となったチームは3日間のオフを取り、トレーニングを再開させたタイミングだった。
リーグは約2週間のインターバルに入っていただけに、準備期間はある。ここで鬼木達監督は再度、チームの状況を確認しながら立て直しの策を提示しようとしたのだろう。
その一環か、9月6日の全体練習後には、ピッチの上で鬼木監督と大卒3年目で今季キャプテンに就任したMF橘田健人が長時間に渡って話し込むシーンがあった。
ふたりともその内容の詳細は伏せたが、今のチームに感じていることや、橘田自身のプレーについてなどを確認したのだろう。
時に鬼木監督は身振り手振りを交えながら、ボールの受け方やパスの出し方などをアドバイスしていたのが印象的だった。
セカンドボールへの反応、相手への寄せ、守備強度といった面は、まさに橘田の持ち味である。
一方で本人も以前から語っている様に、攻撃面、ボールの展開の仕方などは向上の余地を残していた。
そのなかで、25歳となるシーズンにキャプテンの重責を担い、世代交代を目指す今季のチームでは、本来のパフォーマンスを出し切れずに、苦しむ日々もあった。もっとも夏に入る前あたりから徐々に調子を上げ、らしさが戻ってきた印象でもあった。
【PHOTO】川崎の出場16選手&監督の採点・寸評。マルシーニョのドリブル突破からの決勝弾は圧巻。中盤では瀬古、橘田らも奮闘
あれはFC東京戦の9日前。アウェーでC大阪に完敗し、リーグ戦は2分4敗と6戦未勝利となったチームは3日間のオフを取り、トレーニングを再開させたタイミングだった。
リーグは約2週間のインターバルに入っていただけに、準備期間はある。ここで鬼木達監督は再度、チームの状況を確認しながら立て直しの策を提示しようとしたのだろう。
その一環か、9月6日の全体練習後には、ピッチの上で鬼木監督と大卒3年目で今季キャプテンに就任したMF橘田健人が長時間に渡って話し込むシーンがあった。
ふたりともその内容の詳細は伏せたが、今のチームに感じていることや、橘田自身のプレーについてなどを確認したのだろう。
時に鬼木監督は身振り手振りを交えながら、ボールの受け方やパスの出し方などをアドバイスしていたのが印象的だった。
セカンドボールへの反応、相手への寄せ、守備強度といった面は、まさに橘田の持ち味である。
一方で本人も以前から語っている様に、攻撃面、ボールの展開の仕方などは向上の余地を残していた。
そのなかで、25歳となるシーズンにキャプテンの重責を担い、世代交代を目指す今季のチームでは、本来のパフォーマンスを出し切れずに、苦しむ日々もあった。もっとも夏に入る前あたりから徐々に調子を上げ、らしさが戻ってきた印象でもあった。
【PHOTO】川崎の出場16選手&監督の採点・寸評。マルシーニョのドリブル突破からの決勝弾は圧巻。中盤では瀬古、橘田らも奮闘
そして4-3-3のアンカーで先発し、7戦ぶりの勝利に貢献したFC東京戦では、さらに進化の予感を示したのである。
この試合からチームはスタートポジションこそ4-3-3も、守備時には両ウイングが相手のダブルボランチをケアする4-3-2-1のように可変する新たな形を採用し、中盤の3人には幅広いエリアのカバーが求められていた。
もっとも、その守備面より、橘田のプレーで光ったのが、首を振る回数が増えたように感じたことだ。周囲の様子を常に確認し、次のプレーにつながるようにポジションを取り、ボールを展開し、ロングフィードも送る。そして機を見て相手ペナルティエリア内へ走り込む。これを真骨頂の守備面に上手くブレンドするように振る舞っていたのである。
この辺り、鬼木監督とのいわゆる"青空会議"がどこまで影響したのか。本人は「うーん」と考えながら、こう答てくれた
「他の選手からボールをもらう前に、どういったところで受ける、どういったところに立つというのは話してもらえたので、そこを意識できている時は上手く攻撃につなげられました。
一度、右サイドでやっている時に左サイドへ通らなかったですけど、逆サイドに蹴ったシーンがあったんですよ。最初から逆サイドを使うためのポジショニングだったり、トラップだったり、そういうのが上手くできていたと思うので、そこは少し生かせたかなと感じます。
受ける前にプランを考えとくという意味では、(首振りの)回数も増えていましたし、それはつながろうとしていたからこそ、自然と出たのかなと感じます」
夏頃、橘田は「難しく考えすぎていたところもあったので、攻撃面は感覚的にやるところを大切にしたら頭を整理できるようになりました」とも話していた。
味方を見て、相手を見て、ポジションを取って、止める・蹴るを高いレベルで続ける。これはレジェンドである中村憲剛らが大切にしてきたクラブのアイデンティティである。
そこに橘田の真骨頂である守備面と、感覚に頼る部分のある相手ペナルティエリア内などへの走り込みを上手く融合できれば...。その完成形には期待せずにいられない。
CBの大南拓磨はFC東京戦後、「ボールの動かし方は(橘田)健人を経由する形がうまくハマって、相手を見ながらボールを運ぶことができたかなと思っている」とも話している。
進化が続いていきそうなその歩み。要注目である。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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この試合からチームはスタートポジションこそ4-3-3も、守備時には両ウイングが相手のダブルボランチをケアする4-3-2-1のように可変する新たな形を採用し、中盤の3人には幅広いエリアのカバーが求められていた。
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この辺り、鬼木監督とのいわゆる"青空会議"がどこまで影響したのか。本人は「うーん」と考えながら、こう答てくれた
「他の選手からボールをもらう前に、どういったところで受ける、どういったところに立つというのは話してもらえたので、そこを意識できている時は上手く攻撃につなげられました。
一度、右サイドでやっている時に左サイドへ通らなかったですけど、逆サイドに蹴ったシーンがあったんですよ。最初から逆サイドを使うためのポジショニングだったり、トラップだったり、そういうのが上手くできていたと思うので、そこは少し生かせたかなと感じます。
受ける前にプランを考えとくという意味では、(首振りの)回数も増えていましたし、それはつながろうとしていたからこそ、自然と出たのかなと感じます」
夏頃、橘田は「難しく考えすぎていたところもあったので、攻撃面は感覚的にやるところを大切にしたら頭を整理できるようになりました」とも話していた。
味方を見て、相手を見て、ポジションを取って、止める・蹴るを高いレベルで続ける。これはレジェンドである中村憲剛らが大切にしてきたクラブのアイデンティティである。
そこに橘田の真骨頂である守備面と、感覚に頼る部分のある相手ペナルティエリア内などへの走り込みを上手く融合できれば...。その完成形には期待せずにいられない。
CBの大南拓磨はFC東京戦後、「ボールの動かし方は(橘田)健人を経由する形がうまくハマって、相手を見ながらボールを運ぶことができたかなと思っている」とも話している。
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