【韓国メディアの視点】ドーハの奇跡がドーハの衝撃に変わった日。各紙、敗因を徹底追及!

2016年01月31日 慎武宏

五輪出場の喜び吹き飛ばした“ドーハの衝撃”

後半立ち上がりに2点目を決めたところまでは優勝に向かって順調な歩みだった韓国。しかし、終盤に入り一気に崩れてしまった。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 せっかく手にしたリオデジャネイロ五輪出場への喜びも吹き飛んだ。日本と戦ったU-23アジア選手権決勝での結果に、韓国メディアは強い衝撃を隠せない。
 
 これまで韓国ではカタール・ドーハとは言えば1993年のアメリカ・ワールドカップ・アジア最終予選時の"ドーハの奇跡"として記憶されてきたが、各種メディアではその枕詞を引き裂くような見出しが並んだ。
 
「痛恨の敗戦、まさに"ドーハの衝撃"」(スポーツ総合メディア『エクススポーツ』)
「"ドーハ・ショック"」(『マイデイリー』)
「"ドーハの逆転"に茫然自失」(通信社『聯合ニュース』)
 
「崩れた韓国、"ドーハの悪夢"の誕生」(サッカー・メディア『インターフットボール』)と題する見出しも出た。
 
 ただ、それも当然だろう。後半途中まで2点のリードを奪いながら、まさかの3失点で大逆転負けを喫したのだから。各メディアの報道もこの3失点の原因を追及する記事が多い。
 
 例えば『スターニュース』は「痛恨の大逆転負け、なぜ3失点で崩れたか」と題した記事のなかで、「2点目が決まるまでは、完璧な韓国のペースだった。が、韓国は突如集中力を失った。最終ラインが相手の鋭いパス一発で崩れた。相手アタッカーたちを捕まえきれなかった。日本は執拗に韓国の弱点を攻略した」と指摘している。
 
『Goal.com KOREA』版も「またもや体力と集中力不足を露呈」と題した記事のなかで「集中力が不足し、体力も急激に落ちた。攻撃から守備に転換するスピードが遅くなり、カウンターに強みを持つ日本の攻撃の前に崩れた」と分析した。
 
「集中力不足が今回の惨事を生んだ」としたのは、サッカー専門メディア『ベストイレブン』だ。
 
「浮ついた雰囲気が惨事を招いた。2得点で早くも優勝の雰囲気だった。その蔓延した雰囲気が集中力低下につながり、相次ぐ失点を招いた。韓国はディフェンスラインを上げ過ぎて、裏のスペースのケアに失敗した。あまりにも簡単に日本にスペースを許し、一瞬にしてゴールを許してしまった」(サッカー専門メディア『ベストイレブン』)
 

次ページドーハの衝撃が語られるたび、韓国のファンは浅野を思い出す。

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