好守にチグハグなチームを救った主砲オーバメヤンの2発――ドルトムント 2-0 インゴルシュタット

2016年01月31日 遠藤孝輔

ライバルが結果を残したことでスタメンは安泰ではない香川…。

(C) SOCCER DIGEST

 2位ドルトムントが本拠地に10位インゴルシュタットを迎えたブンデスリーガ第19節は、ホームチームが苦しみながらも3ポイントを獲得。CFオーバメヤンがエースの面目躍如となる2ゴールを叩き出し、健闘していた昇格クラブに引導を渡した。
 
 リーグ最多得点を誇るドルトムントが手を焼いたのは、リーグで2番目に失点が少ないインゴルシュタットの攻略だ。痛かったのは感染症の影響で欠場したギュンドアンの不在で、攻撃のスイッチがなかなか入らない。
 
 むしろ良い入り方をしたのはインゴルシュタット。15分には、今冬に加入したFWレスカノが地を這うミドルを放つ。
 
 これはビュルキのセーブに阻まれるも、29分には再びチャンスを創出。ロングフィードの目測を誤ったフンメルスの裏を取ったレスカノがGKをかわし、ゴールまであと一歩のところまで迫った。
 
 ボールを保持しながらシュートチャンスを作れないドルトムントに35分、ようやく好機が訪れる。しかし、左SBドゥルムのクロスに合わせたオーバメヤンのシュートは、相手GKエスジャンのセーブに阻まれた。
 
 リトリートを基本としながら、3トップが積極的にフォアチェックを敢行し、ドルトムントに時間と自由を与えないインゴルシュタットは、後半も上々の滑り出し。49分までに2本のシュートを放ち、格上にプレッシャーをかけていく。
 
 先に動いたのは当然ながら、流れを引き寄せられないドルトムント。55分、前半終了間際の好クロス以外に見せ場がなかった香川と、不用意なボールロストが目立ったヴァイグルを下げ、ライトナーとカストロをピッチに送り出す。
 
 中盤の2枚替えにより、ボール回しを円滑にさせたいトゥヘル監督の狙いは明白だったものの、65分には相手のプレスに焦ったフンメルスがオウンゴールしかけるなど(レスカノのファウルに救われた)、攻守にチグハグなチーム状況は改善に至らない。
 
 この嫌なムードを断ち切ったのが、主砲のオーバメヤンだ。
 
 77分、ピシュチェクが放ったこの日8本目(!)のクロスに頭で合わせ、ついにインゴルシュタットのゴールをこじ開けると、86分には途中出場のライトナー→カストロによるお膳立てをきっちりモノにして、リードを2点に広げてみせたのだ。
 
 これでオーバメヤンのゴール数は、大台の「20」に到達。チームを勝利に導いたこの大エースが、今後もドルトムントを力強く牽引していきそうだ。
 
 一方、早いタイミングでの交代を命じられた香川は、定位置を争っているカストロが結果を残した(1アシスト)こともあり、次節のスタメンが安泰ではない状況だ。
 
文:遠藤孝輔
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