■ステファン・エル・シャーラウィ
・23歳／FW／イタリア代表
・モナコ→ローマ（ミランからの半年レンタル）
・レンタル料：140万ユーロ（約２億円）
　昨夏に新天地を求めたモナコが、公式戦25試合出場なら自動的に行使される買い取りの見送りを決断し、24試合に出た年末から半ば干された状態に陥った。EURO出場を狙う本人が移籍を直訴し、一時は保有権を持つミランへの復帰も検討されたが、ルイス・アドリアーノの中国移籍破談で前線がダブついたため、結局は1300万ユーロ（約18億円）の買い取りオプションが付いたレンタルでローマへ。ウイングながら年間19ゴールを挙げるなど台頭した2012-13シーズン後は、度重なる故障に泣き停滞するスピードスターは、新天地で輝きを取り戻せるのか。
 

■ジェルビ―ニョ
・28歳／FW／コートジボワール代表
・ローマ→河北華夏幸福（完全移籍）
・移籍金：1500万ユーロ（約21億円）
　欧州でも屈指の爆発的スピードを誇る韋駄天で、今シーズンはおおむね好調を維持していたが、３クラブで師事した大恩人リュディ・ガルシア監督が１月14日に解任されローマでの状況が一変。かつてないほどの「爆買い」を進める中国からのオファーを受け入れた。2016年シーズンからトップリーグに昇格する河北華夏幸福が、移籍金1500万ユーロ（約21億円）、年俸500万ユーロ（約７億円）という巨額を保証できるのだから驚きだ。ちなみに、ローマはこのジェルビ―ニョとエル・シャーラウィを入れ替えた格好に。
 

■エマニュエル・アデバヨール
・31歳／FW／トーゴ代表
・無所属（元トッテナム）→クリスタル・パレス（完全移籍）
　台頭したハリー・ケインの勢いに押されてトッテナムで居場所を失い、昨年９月13日に契約を解除。フリーランスの立場で移籍先を模索し、アストン・ビラ、チェルシー、ワトフォード、ガラタサライなど様々なクラブが新天地として取沙汰されたが、結局はクリスタル・パレスと半年契約を結んだ。絶対的なCFを欠き、昨年末の18節から６試合で１得点（しかもオウンゴール）と深刻な決定力不足に悩むチームの救世主となれるか。期待は特大だ。ちなみに、ロンドンのクラブに所属するのはアーセナル、トッテナムに続いて３クラブ目。
 

■オスカール・ドゥアルテ
・26歳／DF／コスタリカ代表
・クラブ・ブルージュ→エスパニョール（完全移籍）
・移籍金：150万ユーロ（約２億1000万円）
　2014年ワールドカップで旋風を巻き起こしたコスタリカ代表で主力を担ったCBだ。強靭なフィジカルを活かした守備に加え、冷静なボールキープから丁寧な組み立てを見せるなど攻撃の貢献度も高く、「コスタリカのジェラール・ピケ」の愛称で知られる上昇株は、フィオレンティーナ、サンプドリア、パレルモ、エイバルの獲得候補に挙がるなど今冬はなかなかの人気銘柄に。最終的には、ここまで21試合で35失点と低調なディフェンスの再建を目論むエスパニョールが争奪戦を制した。自身初の４大リーグでいかなるプレーを見せるのか、要注目だ。
 

【2016年欧州冬のメルカート】新天地を求めた主な選手