「もちろん気合いは入ったが…」約3か月ぶりの先発で感じた重圧。浦和の小泉佳穂は自分と戦い、模索を続ける

2023年08月20日 藤井圭(サッカーダイジェストWeb編集部)

「メンタルもスキルだと思う」

小泉は名古屋戦で久々にスタメンに入り、45分間プレーした。(C)SOCCER DIGEST

[J1第24節]浦和 1-0 名古屋/8月18日/埼玉スタジアム2002

 浦和レッズの先発に名を連ねるのは、約3か月ぶりだった。

 8月18日に行なわれたJ1第24節・名古屋グランパス戦で、浦和のスタメンには小泉佳穂の名前があった。先発入りを聞かされたのは、試合の3日前だった。

 平常心で臨もうと考えていた8番に対して、チームメイトからも、これといった声掛けなどはなかったという。

「なるべく特別な感じにならないように挑みたかったので、みんな軽く頑張れという感じで必要以上に(声掛けは)なかったので良かった」
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 久しぶりのスタメンに「もちろん気合いは入ったが、重さを感じた」と振り返る。その"重さ"とは、浦和で出場するという重圧だった。

 それでも強い気持ちで、トップ下のポジションで躍動。下がってボールを受けて配球したと思えば、前線に顔を出して鋭いパスを通す。11分にホセ・カンテのゴールで先制して良い流れを掴めるかと思ったが、むしろこのリードは小泉にとって、より重圧を感じさせる出来事となったようだ。

「最初は良かったけど、むしろ先制してからプレッシャーを感じてしまった。まだまだだなと思ったし、チャレンジ精神が大事。やるべきことに集中していたら、そういう重さは感じないので、集中しきれていないと思った」

 ハーフタイムで交代となったが、決定的なシュートを放つなど26歳は積極的な姿勢を見せた。プレッシャーを感じないためにも「次のプレーという意識を持ち続ける」ことを反省点に挙げている。

 後半は劣勢でも最後まで身体を張って守り切る選手たちを見て「ずっと試合に出ている選手たちのほうが、自分よりもしんどいなかで、1試合に全身全霊を尽くしているのは凄い」とベンチから感じていた。

 この日の小泉のパフォーマンスを、マチェイ・スコルジャ監督は「佳穂を入れてトップ下に変化をもたらそうとした。良い仕事をしてくれた」と高く評価。大久保智明も「佳穂君が入ると、ボールが落ち着く。僕の守備も助けてくれたし、やりやすい」と先発復帰を喜んだ。指揮官が、そしてチームメイトが小泉の復調を待ち望んでいる。

「メンタルもスキルだと思う。いろいろやりようがある」

 小泉は今、自分と戦いながら模索を続けている。チームに欠かせない存在だった加入当初のようなプレーを、再び見せられるように——。

取材・文●藤井圭(サッカーダイジェストWeb編集部)

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