あのフレーズが、いきなり飛び出した。

「This is,This is,This is football！！」

　試合後のフラッシュインタビューで、清水エスパルスの秋葉忠宏監督が叫んだ。

　J２第31節で、FC町田ゼルビアをホームで迎え撃った。３位のオレンジ軍団は、勝点11差で首位に立つチームを相手に４分、23分に失点。２点を先行される。

　だが、ここでひるまなかった。44分にカルリーニョス・ジュニオが反撃弾を挙げると、61分に乾貴士のゴールで追いつく。そして84分、チアゴ・サンタナの一撃で試合をひっくり返す。３－２。鮮やかな逆転勝利を掴んだ。
【動画】乾の同点弾＆サンタナの逆転弾！

　この日、IAIスタジアム日本平に訪れた観客は１万7989人。大注目のビッグマッチで、ホームチームが凱歌をあげた。

「やはりこの満員御礼の、これだけのサポーターファミリーがこの空気を作ってくれて、この一瞬のためにみんな、苦しい、苦しい、トレーニングをしていますから。この、スタジアムの空気感、この熱狂、これがあるから、やっぱりフットボールはやめられないと思っています！」

　喜びを爆発させる指揮官が、苦境に立たされながらも、最後は白星を掴み取った試合を次のように振り返る。

「こういう苦しいなかだったり、メンタル的にいらいらしがちななかで、しっかりとメンタルコントロール、セルフコントロールしながら、我々は最後までフットボールを貫いた。フットボールをして、しっかりと逆転してみせた。こんなに誇らしい選手たちはいませんから。大いに今日は、選手たちと喜びたいなと思っています！」

　この勝利で勝点差は８ポイントに縮まったが、首位の座を奪ったわけではない。47歳の熱血漢は「まだまだ我々は３位のままですから、もっともっと上をしっかりと目ざせるように、引き続き、やっていきたいなと思っています」と意気込んだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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