今季J２で町田を躍進させている黒田剛監督。ただ、Jリーグではいわば新米監督であり、選手を褒めて伸ばすべきか、あえてそうしないか、そのあたりについてもまだ迷いがあるという。

「（Jリーグで監督）１年目なので、指導の物差しが確立できているわけではありません。いろんな意味で手探り状態。理解してもらえる言い回し、ちょっと響かなかった言葉などいろんな部分を模索しながら、日々を過ごしている段階です」

　ただ、理解できている部分ももちろんある。

「高校生を指導するにあたっての表現、アプローチをそのまま大人にもしていいかと言えばそうではありません。そこは自分で制限するようしていますし、そもそも大人のプロ選手は理解力に優れている。少なくとも、育成年代の選手よりも飲み込みは早い。自ら主張する選手も多いので、こちらが厳しく言及する必要はないかなと」
 

　とはいえ、高校生にもベテランにも"共通点"はある。

「高校生でもベテランでも同じなのが、こちらが言い続ける、やり続けないと、緩さや甘さが出てくる。自分に矢印を向けられなくなってしまうことは往々にしてあるというのが、ここまでの感想。町田に理想的なサッカーに持ち込むためにはもう少し言及していく場面は必要かなと思います」

　今季最後まで指導してみて、町田がどのような結末を迎えるのか。それによって、黒田監督の指導の物差しもある程度定まるはずだ。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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