「なでしこの試合見た?」アル・ナスル対インテル戦に前に50人に質問。コスタリカ戦は0人、土曜のザンビア戦もわずか3人…

2023年07月28日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「勝てば官軍。僕らは薄情なんでやっぱり結果が全て」

アル・ナスル対インテルの観戦に訪れたサポーターたち。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 現在、オーストラリアとニュージーランドでは女子ワールドカップ(W杯)が開催中だ。12年ぶりの優勝を目ざすなでしこジャパンは、7月22日のザンビア戦に続き、26日のコスタリカ戦でも快勝。スペインとのグループステージ最終戦を前に、決勝トーナメント進出を決めた。

 一方、日本では各国の名門クラブがこぞって訪れ、プレシーズンマッチが実施されている。26日のバイエルン・ミュンヘン対マンチェスター・シティでは、Jリーグ主催において最多となる6万5049人が国立競技場に集まり、大きな話題となった。

 では、海外クラブの試合を現地観戦するサッカーファンは、どれだけ女子W杯に注目しているのか。27日、アル・ナスル対インテルの前に、試合会場のヤンマースタジアム長居で男女50人に話を訊いた。

 すると、前日のコスタリカ戦を「リアルタイムで見た」と答えた人は、なんと0人。土曜に行なわれたザンビア戦は3人だった。NHKなどで中継されている事実を把握していない人も少なくなかった。ちなみに昨冬に開催された男子W杯の日本代表戦を「リアルタイムで1試合でも見た」人は48人。実に96%に上った。

 スタジアムに足を運ぶほどサッカーへ関心がありながら、いったいなぜ女子W杯に興味が向かないのか。見ない理由を尋ねると、平日の昼間開催など「タイミングの問題」以外には、次のような忖度ない意見が上がった。
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「迫力の部分。シュートとかもスピードが違う」
「プレーのスピード感」
「激しいプレーが少ないから楽しめない。ただ、女子の方が止める・蹴るは上手い気がする」
「良い選手が多くて良い試合だと思うけど、セリエAやプレミアを見てると迫力に欠ける」
「知っている選手があまりいない」
「そもそも情報が入ってこない。地上波でやってるの?」

 興味深いのは、「細かな技術は男子と同等かそれ以上」と答えた人が複数いたことだ。そうした部分を掘り下げ、「より女子サッカーを盛り上げていくために必要な要素」も訊いてみると、これまた多くの考えが集まった。

「無理して男子に近付けなくていい。女子には女子の魅力がある。今の男子のフル代表より面白いと思う。戦術的な部分だったり」
「フィールドやゴールをワンサイズ小さくしたら面白いのができるのかなと思う」
「そもそも女子のサッカーチームの熱狂が足りひん。WEリーグからもっと盛り上げていかないと」
「澤(穂希)選手みたいな人が1人いたら違う」
「知名度。男子は好きな選手がいる。スーパースターの出現が大きい」
「やっぱスターが出たら。澤さんとかね。あとはもう結果しかない。ラグビーとかも全部そう。勝てば官軍。僕らは薄情なんでやっぱり結果が全て」
「勝ち進んだらメディアが騒いでくるよね。そうなったら見るかも」

 思い返せば、なでしこジャパンが初優勝した2011年大会も勝ち進むたびに、熱狂度が増していった。再び、同じような状況を作れるか。

 女子W杯は知名度向上、そしてニュースター発掘のこれ以上ないチャンスだ。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部) 

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