【新潟/新体制】主力流出を最小限にとどめ、吉田新監督のもと再出発

2016年01月12日 大中祐二

補強の“静けさ”は気になるが、レオ・シルバらの慰留はプラス材料だ。

左から端山豪、早川史哉、吉田達磨監督、伊藤優汰。大型補強とは行かなかったが、レオ・シルバら主力を慰留できたのはプラス材料だ。 写真:大中祐二

 新潟の新加入選手会見が予定されていた12日の午後、DFイム・ユファンの契約更新が発表され、これで2016年を戦う陣容が整った。今季は28選手で始動することになった。

 この冬は新潟も記録的な暖かさだったが、昨日からグッと冷え込み、会見場のデンカスタジアムビッグスワンのピッチも、今日は真っ白い雪に覆われた。試合では監督会見室となる部屋にしつらえられた壇上には、吉田達磨新監督、田村貢社長、神田勝夫強化部長、新コーチングスタッフ陣とともに、3選手が並んだ。

 京都から移籍加入のMF伊藤優汰は、自身の持ち味を「ドリブルからの仕掛け」と話し、「新潟といえばハードワーク、球際の強さのイメージがある。その中で持ち味を出せれば、チームに貢献できるはず」とイメージを膨らませていた。

 昨年すでに特別強化指定選手として存在感を大いに示した新加入のMF端山豪は、「良い経験を積ませていただいた分、もっと試合に出たい、チームとして上の順位に行きたいという気持ちが強まった」と力を込めた。

 また端山と同じく特別強化指定選手ながら、試合出場のなかったDF早川史哉は、「決して巧い選手ではないが、自分はDF。前に行く力と、最後まで体を張って守るところを見てほしい」と抱負を語った。新潟の下部組織出身とあって、恩返しの想いも強いだろう。

 もうひとり、新潟U-18からトップに昇格したMF宮崎幾笑は、U-18日本代表のロシア遠征に参加中のため、会見は欠席した。

 昨季のチームは年間15位。最後まで苦しみ、ようやく残留を決めた。それを考えると、補強の"静けさ"は気になるところでもある。

 だが昨季の主力でチームを去ったのはキャプテンのDF大井健太郎、MF山本康裕のみ。チーム力を、ほぼ維持できたといえる。

 チームの化学変化を左右するのは、むしろコーチングスタッフかもしれない。吉田監督以下、全コーチが新任という、実にフレッシュな顔ぶれとなった。

 会見に先立ち午前中にクラブハウスで行ったミーティングの印象を、吉田監督は「選手たちは本当に良い表情で僕の話を聞いてくれた。少しでも上の順位に。勝利を目指す十分な姿勢があると、彼らのまなざしは語っていた」と熱く語った。

 今季、上昇していくためには、課題をいくつもクリアして行かなければならない。強い決意とともに、新チームは1月18日から、まずは高知での1次キャンプに臨む。

取材・文:大中祐二(ライター)

■2016年のメンバーリスト
Pos. No. 名前
GK 黒河貴矢
21 守田達弥
22 川浪吾郎
 
 
 
DF
 
 
 
 
大野和成
増田繁人
舞行龍ジェームズ
前野貴徳
コルテース
20 イム・ユファン
24 西村竜馬
27 松原 健
28 早川史哉
 
 
 
MF
 
 
小林裕紀
レオ・シルバ
13 加藤 大
17 伊藤優汰
18 成岡 翔
23 酒井宣福
25 小泉 慶
26 端山 豪
29 宮崎幾笑
41 小塚和季
 
 
FW
山崎亮平
10 ラファエル・シルバ
11 指宿洋史
14 田中達也
16 平松 宗
19 鈴木武蔵
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