【広島/新加入選手発表記者会見】若く“新しい血”を入れ、J1連覇に挑む

2016年01月12日 中野和也

攻撃力アップと新世代の台頭を見据えた戦略。

左から長沼洋一、森島司、宮吉拓実、キム・ボムヨン。1次キャンプは1月25日から鹿児島で行なわれる。 写真:紫熊倶楽部

 広島は1月11日、広島市内で新加入選手発表記者会見を行なった。
 
 守備の選手がひとりもいない「J1王者」の補強となった。しかも、山形から移籍してきたパワフルなワイドアタッカー・キム・ボムヨンを除いた3人が前線の選手。広島の課題をどう捉えているか、なんとも分かりやすいオフ戦略である。

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 しかも、新加入となった3人のアタッカーのうち、即戦力は宮吉拓実だけだ。ただ、柴﨑晃誠や柏好文、佐々木翔のような、「即レギュラー」を期待されての移籍とは少し毛色が違う。
 
 2015シーズンの宮吉は、京都で33試合に出場して、4得点・3アシスト。高校1年生でJデビューした彼の才能からすれば、正直物足りない。実際、23歳という年齢は、浅野拓磨や野津田岳人の1年上。レギュラーの平均年齢が高い広島にとっては"新世代"で、「広島で才能を開花させてほしい」という期待感を持って獲得した選手だ。
 
 そんな宮吉のこだわりは、シャドーというよりも1トップだ。
 
「京都ではサイドハーフや3トップのサイドでプレーしていたのですが、気持ちは1番前で勝負したい。広島には(佐藤寿人選手という)最高の選手がいるので、学ぶことも多いはず」
 
 ただ、スルーパスが鋭い森島司や、ドリブルが輝く長沼洋一も含め、今の広島でポジションを奪うのは難しい。宮吉がこだわるFWには佐藤だけでなく、浅野や皆川佑介など実績組がズラリと揃う。シャドーには柴﨑が健在で、野津田岳人や森﨑浩司も負傷から戻ってくるし、茶島雄介もクラブワールドカップで力を見せつけた。
 
 山形で実績を積んだキム・ボムヨンにしても、広島のワイドにはミキッチ、清水航平、柏好文と多士済々。高橋壮也のスピードや運動量もナビスコカップで証明済みだ。
 
 新加入選手たちに必要なのは、昨シーズンの山岸智のように、どんな状況にあっても自分を信じて続ける愚直な姿勢である。その姿勢を失わなければ、チャンスが必ず訪れる。それは2015年の広島の戦い振りによって、証明されているはずだ。
 
 なお、1次キャンプは1月25日から2月7日まで。鹿児島県霧島市で行なわれ、2月10日からは場所を宮崎に移しての2次キャンプが予定されている。
 
取材・文:中野和也(フリーライター)


■2016年メンバーリスト(1月14日発表)
★=新加入選手
Pos. No. 名前
 
GK
1 林 卓人
13 増田卓也
21 廣永遼太郎
 
 
 
DF
 
 
 
4 水本裕貴
5 千葉和彦
19 佐々木翔
23 吉野恭平
26 川﨑裕大
33 塩谷 司
34 高橋壮也
35 大谷尚輝★
 
 
 
 
 
 
MF
 
 
 
 
 
 
6 青山敏弘
7 森﨑浩司
8 森﨑和幸
14 ミキッチ
16 清水航平
17 野津田岳人
18 柏 好文
24 長沼洋一★
25 茶島雄介
27 キム・ボムヨン★
28 丸谷拓也
29 森島 司★
30 柴﨑晃誠
37 宮原和也
 
FW
9 ピーター・ウタカ★
10 浅野拓磨
11 佐藤寿人
22 皆川佑介
31 宮吉拓実★
 
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