山形に続き、清水にも大敗。急失速の仙台でキャプテン小出悠太は初志貫徹。“自分たちの良い時”にこだわり、「一緒に喜ぶために」戦い抜く

2023年07月06日 小林健志

5試合勝ち無しで順位も13位

移籍1年目で腕章を巻く小出。苦しい状況が続くが「次の勝利に向けて良い準備をすることがプロ」と気合を入れる。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

[J2リーグ24節]仙台 0-3 清水/7月5日/ユアテックスタジアム仙台

 6月4日のJ2第19節・東京V戦で勝利した時は7位。一時は上位をうかがう勢いのあった仙台だったが、第20節・磐田戦の敗戦後は勝利から見放され、急激にチームは失速している。

 7月1日に行なわれた"みちのくダービー"第23節・山形戦は、FW藤本佳希に4ゴールを決められ1-4と大敗。続くホームでの清水戦で何としてでも勝って流れを変えたいところだった。

 しかし、勝てないチームを象徴するような失点シーンが相次いだ。11分、清水DF西澤健太のコーナーキックをニアでFW北川航也がヘディングですらし、最後はMFカルリーニョス・ジュニオがこぼれ球を押し込み、仙台はあっさり先制されてしまう。

 そして19分、DF蜂須賀孝治からパスを受けたキャプテンのDF小出悠太が縦パスを出そうとするも、北川にインターセプトされ、そのままFW乾貴士へとボールが渡り、痛恨の2失点目を喫した。

 前半終了後にFWホ・ヨンジュンが主審への異議で警告を受けたこともあり、後半はホに代えてMF遠藤康を投入し、状況の打開を図ったが、54分、右サイドから崩されてC・ジュニオにゴールを決められ万事休す。
 
 その後は決定機もあったが、悪い形でボールを奪われ、終盤はカウンターからさらに失点を重ねてもおかしくない場面を再三作られた。

 結局、0-3の完敗に終わり、5試合勝ち無しで順位も13位。J2優勝・J1昇格というシーズン前のクラブの目標からは大きく遠のいている。

 試合後、ブーイングをするサポーターに対し、クラブのレジェンドMF梁勇基が「こういう状況が続いているのは申し訳ない。選手はもがいていて戦い続けたいと思っているので、一緒に戦ってほしいということをしゃべりました」と、サポーターをなだめる場面もあり、チームを巡る状況は良くない。

 こうしたなか、キャプテンの小出は「得点が取れず3失点して、0-3は完敗だと思いますし、悔しい気持ちしか今は出てきません」と試合を振り返った。「前節ダービーで悔しい敗戦をして、そこから自分たちがチームとして乗っていくためにも大事な一戦で、僕自身もチームも相当な思いを持って臨んだゲームでした」という清水戦だったが、結果は惨敗だった。

「シンプルにボールを動かす質であったり、球際の部分とかカウンターの対応など細かいところを挙げればキリがないのですけど、一番はどれだけ相手に負けたくない気持ちを前面に出してプレーするかとか、ルーズボールをがむしゃらに自分たちのボールにするかが相手より劣っていたのかなと思います」
 

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