今夏に売却できなければFFP違反は免れないか
リーグ・アンで4シーズン連続MVPと5年連続得点王を獲得しているエムバペ。(C)Getty Images
今夏の移籍マーケットでパリ・サンジェルマンは、キリアン・エムバペを売却せざるを得ない状況へと徐々に追い込まれている。
現地時間7月5日、フランスのスポーツ紙『L'Equipe』が再開されたパリSGとエムバペの契約延長交渉は進展していないと報じた。
パリSGがエムバペ側に契約延長か今夏の退団かの2択を突きつけている構図だが、実際は違うようだ。
同紙によれば、追い詰められているのはパリSGだという。このままエムバペと契約延長できず、今夏に売却することもできなければFFP(ファイナンシャル・フェアプレー)違反は可能性がかなり高い。
22年6月に施行されたFFPの新ルールでは、25年までに段階的にサラリー、移籍金、ダイリン手数料などの支出を抑えることが義務づけられ、23年は90パーセント、24年は80パーセント、最終的にはクラブ総収入の70パーセントに制限しなければならない。
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21-22シーズンに3億7000万ユーロ(約518億円)の損失を計上したパリSGはすでにUEFAから6500万ユーロ(約91億円)の制裁金を科されていて、直ちに1000万ユーロ(約140億円)を支払ったが、残りの5500万ユーロ(約77億円)は再び違反した際に支払うことになっている。
年俸7200万ユーロ(約100億8000万円)に加え、パリSGに残留すると8000ユーロ(約112億円)のボーナスを得ることになっていているエムバペが、その上で24年夏にフリーで退団となればクラブの収支バランスは大きくマイナスに傾くため、パリSGとしては現状のまま移籍マーケット閉幕による時間切れだけは絶対に阻止なければならないのだ。
FFPに違反すれば制裁金はもちろん、エムバペを失った上に支出を増やすことができないため、新戦力獲得に大きな制限がかかってしまう。
パリSGのナセル・アル・ケライフィ会長は、エムバペ側に素早い返答を望んでいるが、どこかで決断しなければならない。
欧州主要リーグの移籍マーケット閉幕は例年通り8月31日となっている。現地の報道では7月末までに結論が出ると予想されているが果たして……。
構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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