【移籍専門記者コラム】リバプールが新守護神としてD・ロペスやマルケッティを狙う。マンドラゴーラ争奪戦では完全に出遅れる

2016年01月04日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

クロップ監督が経験豊富で信頼できるGKを必要としている。

怪我で調子を崩し、16歳の超逸材ドンナルンマに正守護神の座を奪われたD・ロペス。ミランは適切なオファーなら売却に応じる構えだ。(C)Getty Images

 リバプールはいまGKを探している。超逸材ジャンルイジ・ドンナルンマの台頭によりミランで守護神の座を失ったディエゴ・ロペスの可能性を探っているだけでなく、ラツィオとの契約が半年後に満了するフェデリコ・マルケッティにも興味を示している(ちなみに、そのラツィオは後釜としてハイドゥク・スプリトのロブレ・カリニッチを手に入れようとしている)。
 
 たしかなのは、ユルゲン・クロップ監督が経験豊富で信頼できるGKを必要としているということ。とはいえその一方では、定評あるスカウティング網を駆使して未来を委ねるにたる若きタレントの発掘にも動いている。GKだけでなく、他のポジションについてもだ。
 
 とりわけ力を入れているのがMFだ。19歳の逸材マルコ・グルジッチ(レッドスター)については、レッドスターのSDがクラブ間合意を認めた後に父親がストップを掛け、それを受けてインテルやサッスオーロが割って入ろうとしたが、結局はリバプールが押し切りそうだ。ただ、今シーズンいっぱいはレンタルでレッドスターに留まると見られている。
 
 さらにリバプールは、ジェノアからセリエBのペスカーラにレンタルされて頭角を現わしたロランド・マンドラゴーラの代理人にも連絡を取った。
 
 1997年にナポリの庶民的な地区で生まれ、ジェノアの下部組織で育ったマンドラゴーラは、2014年10月のユベントス戦で弱冠16歳にしてセリエAデビュー。しかもあのポール・ポグバを完璧に抑え込んだビッグタレントだ。18歳ながら飛び級でイタリアU-21代表に選出されている。
 
 ただ、随分と前からパリ・サンジェルマンとユベントスが先に動き出しており、残念ながらリバプールは完全に出遅れている。とりわけユーベは、4年前にそれこそパリSGにマルコ・ヴェッラッティを奪われた二の舞いだけは踏むまいと必死だ。リバプールは他のMFを当たる必要があるだろう。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かしてカルチョの世界に広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち、しかもしっかり裏が取れるまでは決して情報を出さない。発信するニュースはすべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではない。
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