9日間で4試合。湘南の特別指定DF髙橋直也が乗り切った“超過密日程”「睡眠時間3時間くらいでのベンチ入り」

2023年06月16日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「新大阪駅に着いたのが深夜の12時すぎ」

湘南と関西大、両方の公式戦に出場してタフさを見せた髙橋。写真:滝川敏之

 関西大での活動を軸としながら、湘南ベルマーレで特別指定選手として試合に出場している髙橋直也は、6月3日~11日の間で4試合に出場するという"超過密日程"を経験した。

 1試合目は湘南でのJ1第16節・アルビレックス新潟戦(△2-2)。3バックの右ストッパーとして先発出場し、90分間に渡り攻守に奮闘し、チームの6試合ぶりの勝点奪取に貢献した。

 驚きだったのは、ここからの1週間だ。6月3日の17時頃に終えた新潟戦から21時間後、滋賀県内でキックオフした関西学生リーグの関西大対びわこ成蹊スポーツ大(〇3-0)にメンバー入りし、途中出場を果たしたのだ。

 さらにそこから中2日で迎えた天皇杯2回戦の関西大対浦和レッズ(●0-1)にもメンバー入り。延長戦までもつれた一戦に55分から出場し、試合には敗れたものの、持ち前の攻撃センスでチームの勢いを活性化させた。

 尋常ではないスケジュールで3試合をこなしてから中3日。休養が与えられるかと思われた関西学生リーグの関西大対関西学院大(△3-3)に、なんとスタメン出場。50分の同点弾をアシストするなど、疲労を感じさせないプレーを見せた。
 
 14日の練習後に髙橋がインタビューに応じ、激動の約1週間を振り返った。

「試合に出れば問題なくプレーできましたが、自分で振り返ってみても『マジで?』と思うくらいのスケジュールでした。新潟戦を終えて、そのまま新幹線に乗って、新大阪駅に着いたのが深夜の12時すぎでした。当然終電もなく、睡眠時間3時間くらいでのベンチ入り(びわこ成蹊スポーツ大学戦)だったので、さすがにキツかったですね(笑)」

 なかなか経験できないハードスケジュールをなぜ乗り越えられたのか。

「なぜか子どものころからタフで、怪我もしたことがないですし、コンディション不良で試合に出られなかったこともありません。なので、フィジカルに自信はあります。ただ、湘南で新潟戦にフル出場した翌日に、大学でベンチ入りはさすがに食らいました(笑)」

 髙橋の武器は、中盤を主戦場とした中学から高校時代に養った技術や攻撃面のアイデアと、大学でCBを経験して身につけた守備力だ。加えて、怪我をしづらい体質は来季以降のプロ生活において重要な能力となるだろう。

 逞しく、突き進む22歳のさらなる成長に期待したい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

【PHOTO】湘南ベルマーレの歴史を彩った名手たちと歴代ユニホームを厳選ショットで一挙紹介!

【PHOTO】最後まで熱い応援を続けた湘南ベルマーレサポーター
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事