「二度の嬉しさ。美味しい」VARチェック、OGの可能性…帰ってきた宮市亮が明かす劇的弾の裏側。あくまでここが「スタート」

2023年06月17日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

3-3で迎えた90+7分に魂の一振り

宮市が魂の復活弾を語った。写真:梅月智史

 その瞬間、日本最大の収容人数を誇る日産スタジアムが揺れた。

 6月10日に開催されたJ1第17節で、横浜F・マリノスは柏レイソルとホームで対戦。逆転を許して2-3で終盤に突入したなか、87分に柏の立田悠悟が立て続けにイエローカードを受けて退場に。数的優位になり俄然攻勢を強めると、90+4分にエースのアンデルソン・ロペスがヘッドでこの日2点目を叩き込み、同点に追いつく。

 こうなればもう完全に押せ押せだ。波状攻撃を続け、迎えた90+7分に主役となったのは、右膝前十字靭帯断裂からカムバックした宮市亮。右足での渾身のシュートで相手に当てながらもゴールに押し込み、クラブ史に残ると言っていい劇的勝利をもたらした。

【動画】自身のキャリアベストゴールにも選出!宮市亮の超劇的な復帰後初ゴール

 昨年7月に日本代表の韓国戦で大怪我を負った後、懸命なリハビリを続け、先月下旬に復帰を果たしてから公式戦5試合目。得点は実に339日ぶりだった。
 
 マリノスファンはもちろん、日本中が歓喜に沸き、完全復活の文字が躍ったが、本人からしてみれば、ここがようやくスタートラインだ。柏戦から4日後にインタビューに応じた宮市は、柔和な表情でこう語った。

「素直に嬉しかったですね。僕がゴールを決めたっていうよりも、やっぱりみんなが喜ぶ姿を見れたっていう。サポーターもそうですし、チームメイトやスタッフとゴールを分かち合って、勝利できたことは何よりですね。励ましの言葉や『よく戻ってきたね』という言葉をいただきましたけど…本当にスタートにまだ立ったばっかりなんで、しっかり切り替えてやっていきたいです」

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