「伊藤、下げない」「大然、要求しろ」名波コーチが公開練習中に“縦への意識”を強調【森保ジャパン】

2023年06月14日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

前田はボールを受けられる位置にいた

ゲーム形式のトレーニング中に指示を出す名波コーチ。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 代表練習2日目(2023年6月13日)でもっとも印象的に残っているのがゲーム形式のトレーニングでのワンシーン。結果的に4本やった紅白戦の2本目の途中、名波コーチがわざわざプレーを止めて"縦への意識"を強調した場面だ。

 その2本目、ビブスありチーム(システムは4-2-3-1)は、GKがシュミット(大迫)、4バックは右から菅原、板倉、谷口、森下、ボランチは右から守田と旗手、2列目は右から堂安、久保、三笘で、トップに上田というメンバー構成。対するビブスなしチーム(システムは4-3-3)は、GKが中村、4バックは右から相馬、遠藤、瀬古、伊藤、アンカーに鎌田、インサイドハーフが右から川辺と中村で、3トップは右から伊東、浅野(古橋)、前田という並びだった。

 この対戦時、ビブスなしチームで左サイドバックを務めた伊藤が前方の前田にパスを出せば人数的に3対3となる場面で、結局は横パスに近いバックパスをした。そこで名波コーチが「ストップ」と声を出したのだ。そして、同コーチは続けてこう言った。

「伊藤、下げない」
「大然、要求しろ」
 

 確かに、伊藤がボールを持ったタイミングで前田はボールを受けられる位置にいた。この局面での伊藤の考えを聞けていないので安易に批判はできないが、前田への縦パスを選択していいシーンではあった。

 もしかしたら6月の連戦では、3月の2試合以上に縦への意識が強いプレーを見ることができるかもしれない。もちろん縦一辺倒ではカウンターを食らうリスクが高まるので、横パスも混ぜる必要は当然ながらある。いずれにしても、3月の連戦に比べて縦への意識がどこまで高まっているかは大きな見どころのひとつになるだろう。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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