「決まっていないのは大きな懸念」女子W杯地上波放送に田嶋会長も危機感「見ることができない状況があってはならない」

2023年06月13日 渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

女子W杯の賞金は従来より引き上げられるが…

会見の場で女子W杯のテレビ放送が決まっていない現状に言及したJFAの田嶋会長。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 6月13日、今夏の女子ワールドカップに臨む日本女子代表のメンバー23人が発表された。2011年のワールドカップ優勝メンバーで、池田ジャパンでも10番を背負ってきた岩渕真奈が落選するなど、小さくないサプライズがあった。

 7月20日から開幕するオーストラリアとニュージーランド共催のW杯に向け、着々と日本代表の準備が進むなかで、いまだにクリアできていない問題がある。

 メンバー発表会見の場でも、JFAの田嶋幸三会長が言及した同大会のテレビ放送だ。

 田嶋会長は、「(FIFAの)インファンティノ会長が、男子と女子の差をなくしていくという考えを発表しているが、その考え方は賛同できる。男女平等の世界にしていきたい」とし、「(FIFAの方針で今大会は)選手に対する賞金も高額なものになった」と語る一方で、「放映権料が市場価値と結びついていないため、(ワールドカップが地上波で)放送されるかどうか決まっていないのは大きな懸念を持っている」と明かした。

 田嶋会長によると、現段階で中国やドイツ、イングランド、フランスなど女子W杯の常連国でも放映権の契約がまとまっていない現状だという。背景には、男女を平等にするため、放映権料も男子のW杯と近いレベルに引き上げられているため、イングランドやドイツなどサッカー先進国でも放映権契約に躊躇する状況が生まれているようだ。
 
 田嶋会長はこう続ける。「現状で言えば、『FIFA+』(FIFAが提供している公式アプリ)で試合を見ることができるが、日本語の解説はない。また、これまで興味のなかった人たちが、あえてそこに入って見ることがあるのか。地上波でやることの大切さは我々も分かっている。FIFAもそこは理解している」。だが、現状は解決の糸口も見つかっていないようだ。

「FIFAからは解決する旨のコメントを聞いているが、他のアソシエーションの状況を聞いても、歩みよって最終的な交渉になっているとは聞いていない」

 また、JFAとしても難しい状況に置かれているという。

「(放映権契約についてJFAが)介入することは今までありませんでした。市場価値のなかで、テレビ局とライツ保持者が話し合って決めること。(試合を)見ることができない状況があってはならないと思っている」と危機感を募らせている。

 大会まで約1か月となり、「(日本のテレビの)編成の都合もあり、現時点でもそう簡単なものではない、ギリギリの状況です。FIFAにはその状況を伝えている」と強調した。

 女子W杯が地上波で放送されるのか。女子サッカー界の発展のためにも、少しでも早く良い報告があれば良いが…。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

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