バースデーゴールで“持っている感”を示した川崎の14番・脇坂泰斗。課題は残るも高まる期待値

2023年06月12日 本田健介(サッカーダイジェスト)

決勝弾で勝利に導く

雄叫びを上げる脇坂。ゴールを喜んだ。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第17節]川崎1-0広島/6月11日/等々力陸上競技場

 広島のマンツーマン気味のディフェンスに前半から苦しんだ一戦、川崎を勝利に導いたのは、この日、28歳の誕生日を迎えた脇坂泰斗だった。

 52分、中盤で自ら相手DFをかわしながら持ち運び速攻を発動させると、右サイドの家長昭博へ。その家長は相手ペナルティエリア内にいたレアンドロ・ダミアンへ斜めのパスを通すと、L・ダミアンはヒールで中央に送る。そこに走り込んだ脇坂が冷静なトラップでボールを収め、右足を振り抜いた。

 昨季からクラブのレジェンドである中村憲剛の「14」を継承し、当初はプレッシャーに押される姿も見られたが、徐々に存在感を高め、クラブの顔としての自覚も高まってきた印象だ。

 誕生日に等々力でゴールを挙げる"持っている感"も大先輩に通じるところがあると言えるのだろう。

 
 もっとも本人も語ったように前半はミスも見られ、苦しいパフォーマンスとなった。鬼木達監督も期待を込めて振り返る。

「クオリティのところで前半かなり苦しんだと思います。それはそれで受け止めなければいけませんが、怖がらずに受け続けられるところが彼の良さでもあるので、そういう意味ではああいったトレーニングでやっている形で点を取れたことと、彼の良いところはゴールに絡むところなので、ゴールに結びつけたのは非常に良かったと感じます。

 そうやって、結局チームを勝たせるとか、結果を出すとかにこだわる選手が多ければ勝利というものが生まれると思います。いろいろな改善点はありますが、結果を出したかなと」

 奇しくもこの日は同期入団(ともに大卒、脇坂はアカデミー出身でもある)で、現在はポルトガルでプレーする守田英正も来場。日本代表としても活躍する彼の目でゴールを決めたところにも感じる部分はあるのかもしれない。

 試合後にはサポーターの前で手荒い祝福を受けた脇坂。今後も記憶にも記録にも残る活躍に期待だ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)


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