マドリー最大のテーマは「世代交代」。番記者はどう見立てる? 「クロースとモドリッチも序列が下がる」【現地発】

2023年06月04日 エル・パイス紙

「カルロに勝る監督はいない」

33歳のクロース(左)と37歳のモドリッチにも世代交代の波が。(C)Getty Images

 レアル・マドリーはカルロ・アンチェロッティ監督の続投を希望している。2年の短命で終わった第一次政権とは状況が異なる。契約最終年を迎える来シーズンに向けて、クラブは「世代交代」を最大のテーマに掲げている。そしてそのミッションを遂行するため「カルロに勝る監督はいない」というのがクラブ内における評価だ。

 今夏の補強で喫緊の課題となるのが前線の強化だ。今シーズンは大黒柱のカリム・ベンゼマが期待外れに終わった。昨夏もアンチェロッティは"9番"獲得の必要性を訴えたが、最終的に上層部はベンゼマが好調を維持し、ロドリゴが代役を担えば乗り切れると判断した。しかしその青写真は崩れ、強化部門はすでに経験豊富なストライカーを求めて市場を物色している(ベンゼマは6月4日に退団が発表)

 一方、契約の延長に応じたトニ・クロースとルカ・モドリッチも来シーズンは序列が下がりそうだ。上層部は出場機会を分散させながら、存在感を発揮することを望んでおり、今後、先日のマンチェスター・シティ戦のような大一番で、揃ってスタメンに名を連ねることは難しいだろうと複数の関係者は予想する。

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 代わって主力としての働きが期待されているのが、エドゥアルド・カマビンガとオーレリアン・チュアメニで、さらにジュード・ベリンガムの獲得にも近づいている。選手本人からはすでに了承を得ており、今後の焦点は、所属クラブのボルシア・ドルトムントと代理人に支払う移籍金と手数料という金銭面になる。

 並行して、アンチェロッティ監督は会長のフロレンティーノ・ペレスとゼネラルディレクターのホセ・アンヘル・サンチェスと話し合いを行う予定だ。議題は、ストライカーの獲得候補の絞り込みなどで、この首脳会談を経て来シーズンのプロジェクトの骨格が固まることになる。

 マルコ・アセンシオとダニ・セバジョスの契約満了組ついては、当初は残留濃厚と言われていたが、退団の選択肢も排除できない。とりわけ今シーズン、12得点8アシストを叩き出しているアセンシオが流出となれば、その抜けた穴は決して小さくはない(6月4日に退団が発表)。その一方でマドリーはブラヒム・ディアス(現ミラン)の呼び戻しに動いている。

 そんな中、すでに復帰が確定しているのが、フラン・ガルシア(ラージョ・バジェカーノ)だ。伸び盛りの若手が額面通りに働ければ、来シーズンはカマビンガを専門外の左SBで起用する必要性はなくなるだろう。

文●ダビド・アルバレス(エル・パイス紙レアル・マドリー番)
翻訳●下村正幸

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【画像】マドリーのトップチーム練習に参加する中井卓大

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