平畠啓史チョイス“至極の11人”|大迫勇也は格の違いを見せつけた。鈴木優磨の闘争心は貴重で魅力的【J1月間ベストイレブン5月】

2023年06月02日 平畠啓史

金子の仕掛けはワクワクする

平畠氏がセレクトした5月のJ1月間ベストイレブン。MVPは神戸の大迫だ。(C)SOCCER DIGEST

 芸能界屈指のサッカー通で、J1からJ3まで幅広く試合を観戦。Jリーグウォッチャーとしておなじみの平畠啓史氏がセレクトする「J1月間ベストイレブン」。5月の栄えある11人はどんな顔ぶれになったか。MVPには、5ゴール・3アシストの神戸のエースを選出した。

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 GKはC大阪のキム・ジンヒョン。飛んでくるボールに対し、無駄のないスムーズな反応は見事。安定感はもちろん、ビッグセーブでもチームを救う。11節の大阪ダービー、アディショナルタイムのイッサム・ジェバリのシュートに対するセーブは、まさにチームを救った。

 そして、ロングフィードの飛距離や正確性で攻撃の起点にも。かつ日本語も完璧。5試合で2失点という数字も十分だが、数字以上の活躍を見せた。

 右SBではないが、右に入ってもらったのは札幌の金子拓郎だ。ドリブルが最高。カットインから得意の左足で鋭いクロス、強烈なシュートだけでなく、縦に突破して右足でクロスを上げ、対応するディフェンスを困惑させる。1対1の仕掛けが始まるとワクワクする。4ゴール・2アシストと数字も残した。
 
 CBは横浜の畠中槙之輔。堂々の守備対応で風格も漂う。攻撃的なチームの中で、1対1の対応も少なくないが、危なげない対応。充実の期間に入ってきている。

 鹿島の関川郁万は、以前は感情や闘争心が技量を上回ってしまうようなところも見受けられたが、今シーズンは良いバランスになってきている。関川が本来持っているポテンシャルが発揮されるようになってきた。

 また13節・名古屋戦で、マテウス・カストロの素晴らしいクロスをファーサイドでキャスパー・ユンカーがヘディングシュートという場面では、難しい体勢ではあったが、シュートコースにジャンプして頭に当てて失点を防いだ。12節のC大阪戦では得点も決めた関川。守れてセットプレーでゴールを奪える鹿島らしいCBになってきた。

 左SBはC大阪の山中亮輔。相手ゴール前にスリリングなシーンを演出する左足のクロスは、ボールスピードもあり魅力的だ。レオ・セアラにピタリと合った時は爽快だ。
 

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