【クラブW杯】決勝で2アシスト! ネイマールが5度目の挑戦でついに“世界一”に輝く

2015年12月20日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

メッシ、スアレスのゴールをお膳立て! ついに世界一の称号を掴み取る。

自身のゴールこそなかったものの、ネイマールは2アシストで勝利に大きく貢献。ついに念願の“世界一”の座に就いた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 ネイマールにとって今回のクラブワールドカップは、実に5度目の"世界一"を掛けた戦いだった。
 
 過去、2009年のU-17ワールドカップでグループリーグ敗退に終わり、2011年のクラブワールドカップでは現在所属するバルセロナに決勝で大敗。その後も2012年のロンドン五輪はファイナルで屈し、優勝が至上命令だった昨年の自国開催ワールドカップでは決勝トーナメント準々決勝のコロンビア戦で脊椎骨折の大怪我。ブラジルも4位に終わった。
 
 4度のチャレンジで手が届かなかった"世界一"を獲得すべく、意気込みは相当なものだったはずだ。
 
 しかし、12月8日のトレーニング中に左足内転筋を負傷。そのまま故障者リスト入りし、来日を果たしたものの、12月17日の準決勝はベンチを温めた。
 
 迎えた12月20日の決勝にはなんとか間に合わせ、スタメン出場を果たした。しかし、10分までに3度あったドリブル突破はすべて不発に終わり、14分にはメッシのスルーパスにあと一歩届かず。17分にはドリブルでタッチラインを割り、20分にはなんでもない横パスがズレるなど、らしくないミスも見られた。
 
 それでも36分、大仕事をやってのける。右サイドのダニエウ・アウベスからのクロスを相手と競り合いながら頭で落とし、メッシの先制点をアシストしたのだ。
 
 これで気を良くしたのか、後半はエンジン全開。55分には敵陣中央でボールを受けると、一気に2人を抜き去ってペナルティーエリアに侵入してあやわPKの場面を演出すれば、57分にはスアレスに正確なスルーパスを通した。
 
 そして68分、左サイドから右足で絶妙な斜めのクロスを通し、これをスアレスが頭で押し込む。この日、2つ目のアシストだった。
 
 得意のドリブルでは普段と比べると引っかかるシーンが多いなど、コンディションは決して万全ではなかったはずだ。それでもしっかりと2アシストを記録し、メッシ、スアレスと絡んだ際は、"世界最強のMSN"に相応しいクオリティーを見せつけて、3-0の大勝に貢献した。
 
 自身5度目のチャレンジにして、ついにチームとしての"世界一"に輝いたネイマール。さらに個人としても、メッシ、クリスチアーノ・ロナウドの跡を継ぎ、"世界一"の称号を掴み取る日が遠からず訪れることを予感させた、横浜での一夜だった。
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
 
 
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