大いなるポテンシャルを示した宮代大聖の美しい一撃。川崎の新エースとして本格覚醒なるか

2023年05月13日 本田健介(サッカーダイジェスト)

瀬古樹のアシストも見逃せない

FC東京戦でもゴールを狙い続けた宮代。結果も残した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第13節]FC東京2-1川崎/5月12日/国立競技場

 Jリーグ30周年記念マッチとして、金曜日の夜に国立競技場で行なわれた多摩川クラシコは、25分までに2点を奪ったFC東京に軍配が上がった。

 先制ゴールとなった徳元悠平の強烈な一撃など、FC東京にとっては会場の演出を含めて華やかな勝利になった一方、後半立ち上がりに脇坂泰斗が一発退場(ルーズボールにチャレンジしたスライディングがVARを経て危険なプレーと判断され)となり苦しくなった川崎でも、39分に美しいゴールが生まれた。

 決めたのは、今季、2シーズンのレンタルから復帰したアカデミー育ちの22歳FW宮代大聖である。
【動画】川崎・瀬古→宮代の華麗なタッチからのゴール
 39分、中盤のパス回しから前を向いた瀬古樹がピッチ中央をドリブルで持ち上がる。その動きに呼応してゴール前やや左でマークを外そうと、相手DFとの距離を取った宮代は瀬古からの縦パスを受けると、いくつかのフェイントを入れながら、対峙した木本恭生のタイミングを外しながら右足で内側に巻くコントロールショット。コースを突いたシュートが見事にゴール右へと収まった。
 
 川崎アカデミー時代から将来を嘱望されてきたストライカーは、中学生時代には当時の風間八宏監督にも力を認められ、高校在学中の2018年にクラブとプロ契約。

 山口(2019年夏から)、徳島(2021年)、鳥栖(2022年)と3クラブでの武者修行を経て、さらなる成長を果たしてきた。

 トレーニングを見ていても光るのは動き出しの鋭さとシュート技術。今季リーグ4ゴール目となったFC東京戦での一発を見れば、そのポテンシャルの高さを改めて示したと言えるだろう。

 そして今後、さらなる進化を期すためには、常にギラギラ感を醸し出し、泥臭くてもどんな形でも、まさにストライカーとしての生死をかけるように常にゴールを狙う先輩の小林悠らから学ぶことが多分にあるのだろう。

 川崎の新エースとして今後、どんな道を進んでいくのかは注目だ。

 ちなみに、今回の宮代のゴールをお膳立てした瀬古の動きも見逃せない。FC東京の狙いを予測しつつ「前でプレーすることを意識していた」というインサイドハーフは、アンカーのジョアン・シミッチ、インサイドハーフの脇坂とのパス交換から、華麗なプレーで相手の中盤を突破し、宮代のゴールにつなげている。

 中盤で欠かせなくなっているこの男を含め、宮代がゴール数を増やしていくための周囲のサポートも充実していると言えるだろう。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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【厳選ショット】徳元悠平が1G1A!多摩川クラシコを制する!|J1第13節 FC東京2-1川崎
 

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