【クラブW杯】決勝のリーベル戦へ自信を見せるブスケッツ「ハイプレスをかいくぐっていきたい」

2015年12月18日 石坂洋輔(ワールドサッカーダイジェスト編集部)

攻撃を活性化するロングパスや危機察知能力の高さを表わすプレーを随所に。

まさに攻守の要となって勝利に貢献したブスケッツ。リーベルとの決勝に向けても自信を見せた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

「全体的に、非常にいい試合だった」
 
 3-0の快勝を飾った広州恒大とのクラブワールドカップ準決勝を、そう振り返ったセルヒオ・ブスケッツ。ハットトリックを達成したルイス・スアレスや、切れ味鋭いドリブルと精密なスルーパスで幾度となくチャンスを演出したアンドレス・イニエスタほど目立たなかったとはいえ、このボランチも攻守両面で良質なプレーを披露した。
 
 とはいえ、決定的な仕事はしていない。それでもチームに不可欠な存在だったのは確かだ。インサイドハーフのイニエスタとイバン・ラキティッチの足下に正確かつ鋭いパスを届けつつ、機を見てサイドへのロングスルーパスやダイレクトシュートを放つなど、攻撃を活性化した。
 
 ディフェンスも光った。たとえば54分、反撃に転じようとした広州恒大のパウリーニョがハーフウェーライン付近にいたファン・ボウェンに縦パスを送った瞬間、背後からサッと近づいて華麗にボールを奪取。カウンターを阻止したこのプレーに、彼の危機察知能力の高さが表われていた。
 
 来日直前のデポルティボ戦(リーガ・エスパニョーラ15節)では失点に繋がるパスミスを犯すなど低調な出来に終始したものの、この日ピッチにいたのは"いつもの"ブスケッツだった。一つひとつのプレーが丁寧で、ミスがなく、そしてインテリジェンスに富んでいた。
 
 南米王者リーベルと激突する12月20日の決勝に向けては、「彼らのハイプレスをかいくぐっていきたい」と口にした。華麗なテクニックや繊細なボールタッチで敵のハイプレスを軽くいなし、そこからパスを散らして攻撃のリズムを刻むのがいわば真骨頂。その意味で、決勝の陰のキーマンになるのはこの不動のボランチかもしれない。
 
取材・文:石坂洋輔(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事