【採点寸評|名古屋】一挙の3枚替えが奏功。大観衆を熱狂させる劇的な幕切れ[J1第11節 名古屋2-2神戸]

2023年05月04日 今井雄一朗

セカンドボールを拾えずに後退を余儀なくされる

【警告】名古屋=マテウス(49分) 神戸=井出(51分)、齊藤(53分、90+6分)【退場】齊藤(90+6分)

 Jリーグは5月3日、J1第11節の8試合を各地で開催。豊田スタジアムでは名古屋グランパス対ヴィッセル神戸が行なわれ、2-2で引き分けた。
【PHOTO】名古屋の出場16選手&監督の採点・寸評。ミスが目立った藤井だが同点弾で評価アップ。長澤はチームを復活させた
 試合を優位に進めていたのはアウェーの神戸。11分、汰木康也のクロスに大迫勇也がヘッドで合わせて先制点をゲット。その大迫のお膳立てから、60分に佐々木大樹が追加点を挙げる。

 2点を追う名古屋は73分に1点を返す。マテウス・カストロのシュートのこぼれ球に反応したキャスパー・ユンカーが、確実にフィニッシュ。

 その後、試合はホームチームの1点ビハインドでアディショナルタイムに突入。このままタイムアップかと思われた90+8分、名古屋が波状攻撃を仕掛け、最後は藤井陽也が見事な切り返しから右足ショットを突き刺し劇的な同点弾。見応えある一戦はドロー決着となり、勝点1を分け合った。
【PHOTO】美女揃いのチアグランパス!豊田スタジアムを華麗なパフォーマンスで盛り上げる!
▼名古屋のチーム採点「6」
 試合内容としては神戸に支配されるところが強く、対策していたはずの大迫、武藤嘉紀にもかなりの割合で起点を作られ、苦戦。

 押し込まれるなかでは、得意のショートカウンターも発動しにくく、セカンドボールを拾えずに後退を余儀なくされ、さらなる劣勢のうちに失点。後半立ち上がりにも失点し、しかもそれが3枚替えを準備していた最中という不運にも襲われた。

 ただし、その交代は功を奏し、長澤和輝のゲームメイクがサイド攻撃に力を与え、突破口としていた右の攻撃からユンカーのホーム初得点で追い上げると、それでも神戸に支配されるなか、アディショナルタイムの追加時間のなかで藤井が値千金の同点ミドルを叩き込んだ。

 神戸にしてみれば不運では片づけられないところもあっただろうが、パンクしたボールをねじ込んだ藤井の執念も相当のもの。勝利はならなかったが、4万789人の大観衆を熱狂させる劇的な幕切れで、上位直接対決に勝点1を添えられたのは、次へとつながる結果ではあった。

取材・文●今井雄一朗(フリーライター)

※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。

【PHOTO】これこそがホーム、豊田の地。満員のスタジアムに駆けつけた、名古屋グランパスサポーター!

【PHOTO】神戸の出場14選手&監督の採点・寸評。武藤&大迫らを高評価。退場の齊藤は残念の一言
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