【広島】流れを変えたもうひとりのMVP。浅野拓磨が結果を残したこのCSは、スタメン獲りへの節目になるかもしれない

2015年12月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

流れに抗い、ゴールを生みだしたスピードスター。

途中出場で流れを変えた浅野。そのスピードは、2試合を通じてG大阪に脅威を与えていた。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 2試合ともG大阪が主導権を握ったチャンピオンシップ決勝で、その流れに抗い、ゴールを生み出したのは、広島が誇るスピードスター、浅野拓磨だった。

【CS決勝 第1戦 PHOTOハイライト】G大阪 2-3 広島

【CS決勝 第2戦 PHOTOハイライト】広島 1-1 G大阪

 第1戦の80分には自慢のスピードを活かして右サイドを駆け抜けると、角度のないところから右足を強振。強烈なシュートがファーポストを叩き、ドウグラスの同点ゴールへとつながった。

 続く第2戦では76分に柏好文のクロスに合わせてジャンプ、競り合うDFを頭ひとつ上回り、ヘディングゴールを決めてみせた。

「どちらかというと不得意なので、シュートを打った時は入るとは思ってなくて、飛ぶ時も当たらなくてもいいから飛んでみようと。無我夢中にボールに触ることだけを意識してヘディングしたら、ボールがゴールに吸い込まれていったので、嬉しかったですね」

 いずれも1点ビハインドのチームの窮地。とりわけ第2戦のゴールは決勝ゴールではなかったが、このゴールによってG大阪は2点を奪わなければならなくなり、G大阪に焦りを、チームには余裕をもたらす値千金のゴールだった。

 プロ3年目となる今シーズンは、出場機会を大きく増やした1年だった。スーパーサブとしての地位を確立し、佐藤寿人→浅野の継投策は、必勝パターンとしてチームの重要な戦略となった。今季32試合に出場し、実に30試合が途中出場。それでいて8ゴールを奪ったのだから、立派な数字だ。

「僕が1年目だった2年前も優勝しましたけど、その時は成し遂げたという気持は特になかった。でも、今年はシーズン通してプレーし、結果も少しずつ付いてきた。それだけでなく優勝という結果までチームとして残せたのはすごく嬉しいし、それがまた自信になって次にもつながると思います」

次ページスーパーサブに甘んじているわけにはいかない。本人もはっきりと自覚している。

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