フランスで研鑽を積む鈴木唯人、進化の過程に興味津々「自分の中でトライして、比較してみるのも楽しみ」【U-22代表】

2023年03月23日 松尾祐希

今回の代表活動では難しさを感じる場面も

今遠征でも10番を背負う鈴木。エース候補の奮起に注目だ。写真:松尾祐希

 海外挑戦を果たし、約3か月が経った。ただ、フランスのストラスブールでの出場時間はゼロ――。

 ピッチに立てないもどかしさや悔しさはある。しかし、そうした境遇に置かれる可能性も理解したうえで、新たな一歩を踏み出した。

 久々の代表戦で鈴木唯人は何を示すのか。「何か一つでも収穫を得る。それが大事で次につなげたい」。10番を背負う男は虎視眈々と今遠征での活躍を目論んでいる。

 U-22日本代表は、3月24日に行なわれるドイツとの親善試合に向け、21日から現地で活動をスタートさせた。23人のメンバーは精力的なプレーを見せるなか、鈴木は仲間との再会を喜びながらリラックスした表情でメニューを消化。22日の練習では笑顔を見せつつも、試合形式のトレーニングでは迫力のあるプレーで存在感を示すなど、コンディションの良さを感じさせた。

 3か月間、ストラスブールで過ごし、フランスのサッカーに触れてきた鈴木。「本当に全てにおいて刺激でしかない」。異国でのチャレンジを楽しみながら、さらなる成長を求めて日々を過ごしてきた。同僚となった川島永嗣からもサポートを受け、多くのことを学んだという。

「全てを知り尽くしている人で、やっぱり言動や行動、見ているだけで分かりますし、たまに助言をいただいている。一人でやっているのと、永嗣さんがいるのとでは全然違う。気持ちの面でも違いますし、学べることがたくさんあるので、本当に貴重な時間です」
 
 そのおかげで、少しつずつ新たなサッカーにも慣れてきた。しかし、今回の代表活動では難しさを感じる場面もあるという。

「自分自身、今も全てこっちのサッカーが分かったわけではない。フランスのサッカーがこういうものだというのを理解して、受け入れてやるのが一つ大事だと思って、徐々に分かってきたし、身体も慣れてきた。だけど、全てこっちのサッカーに順応できたわけではない。逆に久しぶりに日本代表でサッカーをやってみて、なんか難しいなって感じるモノもあった」

 適応するのは一筋縄ではいかない。そのなかで代表に合流した。しかし、異なるサッカーに適応できなければ、未来は切り拓けないのも事実。特に代表は活動期間が短いため、悠長なことは言っていられない。そうしたサッカー観の違いもポジティブに捉え、今回の親善試合に向けて準備を進めている。

「久しぶりの試合なので思い切ってやることが大事。日本でやっていた自分と、こっちでやっていた自分では何かしら違うことがあると思う。自分の中でトライしてやってみて、自分と比較してみるのも楽しみ」

 大岩ジャパンの10番がどんなプレーを見せるのか。「今回の試合を良いきっかけにしたい」。パリ五輪世代の主役候補は新たな自分を示すべく、ドイツ戦のピッチに立とうとしている。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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