【番記者推奨!FC東京のブレイク候補】アダイウトンが途中交代、その時、ベンチに俵積田晃太がいれば…。技巧派ドリブラーが出世頭に!

2023年02月07日 後藤勝

比較的落ち着いて上を目ざせる状態に

ドリブルで2~3人を抜いていくプレースタイルの俵積田。サイドでの突破力に期待だ。写真:後藤勝

 来るべき2023年シーズン、リーグを盛り上げるのはいったい誰か。新たなスターは生まれるのか、未来を切り拓くニューヒーローは出現するのか。番記者推奨のブレイク候補、今回はFC東京のMF俵積田晃太だ。

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 多くのルーキーが加入してきたFC東京。負傷で出遅れる選手が複数名いるなか、その1人だった野澤零温が宮崎キャンプ最終日のサンフレッチェ広島戦でゴールを決め、リハビリ組もポテンシャルが高いことを示した。

 このことを考えれば、現時点でブレイク候補を絞るのは少々難しい気もする。1次キャンプで得点力を発揮していた熊田直紀は、ペロッチの加入によってうかうかしていられなくなり、全国高校サッカー選手権での活躍が記憶に新しい荒井悠汰も、仲川輝人らとの競争でポジションは約束されていない。

 かと思えば、順天堂大経由で戻ってきたFC東京U-18出身の寺山翼が中盤である程度機能し、FC東京U-18在籍中の佐藤龍之介がキャンプに帯同しつづけてJリーグデビューへの期待を抱かせている。

 寺山も一時、軽い負傷で離脱していたところからの復帰だけに、日々刻々と序列が変わっていると見るべきだろう。とはいえ、2次キャンプの打ち上げとなれば、この瞬間だけは序列が確定する。

 レギュラー組は開幕戦に向けての準備を進め、サブ組は仕切り直してポジション奪取を狙うことになる。ならば、この時点での序列で一度ブレイク候補を整理し、挙げることは可能だろう。
 
 そしてその筆頭として、俵積田晃太の名前が記載されるべきなのではないだろうか。それはなぜか。サブ組にもポジションによって有利不利の濃淡があり、なかでも俵積田は比較的落ち着いて上を目ざせる状態にあるからだ。

 同じ若手でも二番手に入るための、言わば競争の競争がまず厳しいポジションがある。それに対して俵積田の場合、ウイングでアダイウトンに次ぐ位置につけていて、この一番手を抜くことだけを考えればいい、恵まれた状態にある。

 昨シーズンの活躍を思い起こせば、アダイウトンがフル出場する試合もあるかもしれない。しかしキックオフから全力でプレーするなら、やはり途中交代をする試合が多くなるだろう。その時、俵積田がベンチに入っていれば、出場機会を得る可能性は高い。

 ドリブルで2人、3人を抜いていくプレースタイルだけに、短い時間でゴールかアシストの結果を残しやすく、アピール材料を重ねていきやすい。現代のトレンドを鑑みれば、サイドを個の力で打開していける選手は、どのチームにも欠かせないもの。

 高い技術を持つウインガーである時点で、そもそも頭角を現わしやすいタレントなのだ。はたしてブライトンで大ブレイク中の三笘薫のように、ゴールを重ね、サポーターに認められる存在となるのか。出世頭として期待が高まる東京のブレイク候補だ。

取材・文●後藤勝(フリーライター)

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