【番記者推奨!湘南のブレイク候補】“井の中の蛙”で終わりたくない。カタールW杯の韓国代表GKソン・ボムグン、初の海外挑戦にかける想い

2023年02月03日 隈元大吾

加速度的に日本語をマスター

期待の新守護神ソン・ボムグン。背番号は「1番」を与えられた。写真:隈元大吾

 来るべき2023年シーズン、リーグを盛り上げるのはいったい誰か。新たなスターは生まれるのか、未来を切り拓くニューヒーローは出現するのか。番記者推奨のブレイク候補、今回は湘南ベルマーレのGKソン・ボムグンだ。

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 Kリーグの強豪・全北現代で2018年にプロデビューし、以来ゴールマウスに立ち続けた。5年間でリーグ優勝4度、FAカップも2度制している。昨年開催のカタール・ワールドカップでは、出場こそ叶わなかったものの、韓国代表メンバーに名を連ねもした。

 そんな自身の歩みを、GKソン・ボムグンは穏やかに振り返る。

「プロ1~2年目は経験が浅かったですし、技術的にも劣る部分がありましたが、出場を重ねることで自分の力に繋がったと思います。GKは1つのミスが失点に繋がりますし、そういう経験もして、特にメンタルの部分は最も向上したと思う。また試合中の臨機応変な対応力や先読みする力も経験を通じて身に付きました」

 若くして母国で実績を積み上げる一方、海外への想いも強めていた。その心はこうだ。

「井の中の蛙という気持ちがあったので、外に出て違う経験をしたかった。そう思っていたタイミングで湘南からオファーをいただき、運命的なものを感じました」

 196センチの恵まれた体躯と長い手足を活かしてシュートを鋭く阻み、クロスやハイボールも着実に対処する。曰く、「瞬発力などフィジカルを活かしたプレーが自分の強み。ビルドアップを含め、落ち着いたプレーや戦術理解度、指示する能力も自分の長所だと思います」。随所にのぞく非凡なパワーにも高いポテンシャルがにじみ出る。

 コーチングに欠かせぬ日本語の習得にも余念がない。先月行なわれた鹿児島キャンプでは、同部屋の畑大雅をはじめ、チームメイトとコミュニケーションを深めながら、加速度的に日本語をマスターしている。その努力は通訳兼マネージャーの朴清佑さんも認めるところだ。
 
 お手本とする選手はリバプールでプレーするブラジル代表GKアリソンだという。「ゲームを読む力や瞬発力、技術など、すべて含めて憧れの存在」とリスペクトを口にしつつ、目ざすGK像にも言及する。

「現代サッカーに合ったGKを自分はイメージしている。ビルドアップを意識し、またセンターバックやサイドバックの役割も担うような活動量の多いGKを目ざしています」

 自身初の海外挑戦も、「チームの雰囲気は楽しいし、みんなひたむきに練習に励んでいて、自分にとって最高の環境でサッカーができています」と目元をほころばせる。そしてソン・ボムグンは、来るシーズンを見据えて言葉を重ねた。

「失点を少なくすることが個人的な目標です。自分ひとりでは守れないので、チームメイトと協力し、良い関係を築いてリーグの成績に繋げたい。未来に繋がるシーズンにしたい」

 チームとして5位以内を目ざすうえで、土台となる守備の安定は欠かせない。新たな背番号1の活躍に期待が高まる。

取材・文●隈元大吾

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