アトレティコに完全移籍したデパイに拭えない不安。シメオネ監督はかつての愛弟子とイメージを重ねるが…

2023年01月24日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

アトレティコの戦術にマッチしたFWか

この1月にバルサからアトレティコに完全移籍したデパイ。(C)Getty Images

 アトレティコ・マドリーがバルセロナからオランダ代表FWメンフィス・デパイを、移籍金300万ユーロで獲得した。

 本来ならシーズン中における同一リーグのライバルチームへの移籍は考えられないが、財政が圧迫し、今年7月にフリーエージェントになる前に売却したかったバルサと、マテウス・クーニャ(ウォルバーハンプトンへ)とジョアン・フェリックス(チェルシーへ)の放出で手薄になった前線の補強を目指していたアトレティコの思惑が一致した格好だ。

 ただ不安はある。デパイがバルサFW陣の中で序列が低かったのは、前線の選手に運動量と献身性を求めるシャビ監督のサッカーに向いていなかったことが背景にある。一方、ディエゴ・シメオネ監督率いるアトレティコも、バルサとはもちろんスタイルは異なるとはいえ、スペースに走り込んだり、ロングボールを競り合ったりと、FWにはボールの収めどころとなれる機動力や当たりのタフさが要求される。
 
 しかし、デパイは足下にボールを欲しがる選手だ。リヨンやオランダ代表、ロナルド・クーマン監督時代のバルサでそうだったように、パスが集まり、自由に動ける範囲が広がれば、多彩な仕掛けからフィニッシュに絡むという持ち味を発揮する。

 またバルサに在籍した1年半の間に4度故障で戦列を離れたように、怪我の多さも不安要素だ。スペイン紙『AS』は、早い段階からシメオネ監督のゴーサインを得てクラブは獲得に踏み切ったと報じているが、アトレティコの戦術にマッチしたFWかどうかは疑問符が付く。

 もちろん得点力はあるし、チームの攻撃にバリエーションをもたらす存在にはなれる。シメオネ監督は「ジエゴ・コスタと似ているところがある」と、アトレティコにとって理想のFWだったかつての愛弟子とイメージを重ねているようだが、果たして……。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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