「自分自身、足がもたなくて…」日体大柏・吉田主将は涙が止まらず。根引監督は胸を張る「大舞台を負けずに去れる」【選手権】

2023年01月05日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

目を真っ赤にしてミックスゾーンを訪れ…

選手権初出場の日体大柏を主将として牽引した吉田。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権準々決勝] 日体大柏0(3PK4)東山/1月4日/浦和駒場スタジアム

「すごく、悔しいです……」

 キャプテンの目から涙が止まらなかった。

 初出場から地元柏の葉で3勝を重ね、準々決勝に進出してきた日体大柏。この日も柏レイソル加入内定のオウイエ・ウイリアム(3年)に吉田眞翔(3年)、古谷柊介(3年)、平野伶(3年)を加えた強力アタッカー陣が、2大会連続で8強入りした東山に襲い掛かった。

 しかし、ビッグチャンスを作りながら、相手GK佐藤瑞起の好守に阻まれるなどし、80分間で1度もネットを揺らせず。スコアレスでもつれ込んだPK戦の末に敗れた。

 主将として、攻撃の要として奮闘した吉田は、目を真っ赤にしてミックスゾーンを訪れると、まず口にしたのが冒頭の一言だ。悔しさを噛み殺しながら、試合をこう振り返った。

「やっぱり自分たちのほうがチャンスがあったと思うし、攻め込んでた部分はあったので、前線がしっかり決めきれないと。PKでこういう結果になってしまったので。この先、別々の進路に向かうけど、そこはしっかり経験を活かしてやっていきたいです。

 PK戦は自分自身、足がもたなくて蹴れなかったので、そこは悔しい思いをしたので、しっかり最後まで戦い抜く身体を作っていきたいなと思います。自信がある奴が手を上げて蹴ったので、そこはすごい褒めたいなと思いますね」
 
 今大会から声出し応援が復活。この日もスタジアムには東山の倍近い大応援団が、日体大柏に声援を送り続けた。ピッチの選手たちにはこれ以上ないエネルギーになっていたようだ。

「すごい観客がいるなかでの経験は初めてだったので、最初は多少緊張もありましたけど、やっぱりプレーをしていて声援があるのは楽しかったです。まずこの舞台に立てたことが楽しかったですね。選手たちを支えてくれたのが声援だと思うし、そのなかでもっと観客たちの期待に応えられたらなという思いはありますけど、悔いなくプレーができたので、そこは感謝ですね。すごい感謝しています」

 濃密な高校での3年間を経て、今後は舞台を大学サッカーに移す。だがその前に18歳の吉田が掲げる目標がまだある。

「やっぱり高校選抜というのは大きな経験になりますし、キャリアにもなると思うので、そこは選ばれたいという気持ちはあります。そこに向けて良いプレーをできたと思うし、自分の特長をしっかり試合を通して披露できたと思うので。まずそこに選ばれるのと、高卒でプロになれなかったので大学からプロサッカー選手になるのが目標ですね」

 根引謙介監督は「最後はPK戦ということで、公式記録ではこの全国の大舞台を負けずに去れる」と胸を張った。吉田キャプテン以下、日体大柏の選手たちは、初出場で確かなインパクトを残し、各々の夢へ歩みを進める。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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