激闘制し8強入りの神村学園。運命のPK戦、キャプテンの大迫塁はなぜGKに腕章を託したのか?【選手権】

2023年01月03日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

「ヒーローになって来いと渡しました」

GK広川(左)にキャプテンマークを託した大迫。伝統になりつつあるこの行動も勝利につながったのだろう。写真:滝川敏之

[高校選手権3回戦]日大藤沢 1(3PK5)1 神村学園/1月2日/等々力
 
 1月2日に高校サッカー選手権大会の3回戦が各地で行なわれ、等々力陸上競技場では神村学園と日大藤沢が対戦した。
 
 両チームとも1点ずつを取り合い、PK戦までもつれた激戦は、神村学園に軍配が上がり13大会ぶりのベスト8進出を決めた。
 
 PK戦では、キッカーが決めた後に自軍のGKに駆け寄って鼓舞するシーンを見掛けることはあるが、この試合では神村学園で受け継がれつつある"シーン"があった。
 
 神村学園の1人目、キャプテンのMF大迫塁は、PKを成功した後、GK広川豪琉に駆け寄って、自らが巻いていた腕章を託した。
 
「2017年度大会の鹿児島県予選決勝(対鹿児島城西)で、髙橋大悟さん(現・FC町田ゼルビア)がやっているのを見て、これいいな、と思って始めました」
 
 当時、神村学園中の1年だった大迫は、神村学園高の伝統の「背番号14」を背負い、キャプテンとしてチームを率いていた髙橋の行動に憧れ、それからPK戦の際はやり続けてきたという。
 
 また、広川の腕に巻いた時の想いについては、「PKはキーパーが主役なので、キャプテンマークをつければ気持ちが高まるのもある。ヒーローになって来いと渡しました」と明かした。そして広川は日大藤沢の1本目をストップし、チームを勝利に導く活躍を見せた。もちろん広川の実力もあるが、腕章の効果も少なからずあったはずだ。
 
「世代屈指の天才レフティ」と称され、個の能力に秀でる大迫。神村学園において果たす役割は計り知れない。
 
取材・文●金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)
 
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