「国全体がしぼんでいる」千載一遇のチャンスを逃したイングランド。ファンは“消極采配”のサウスゲイト監督に批判的だが…【W杯】

2022年12月18日 スティーブ・マッケンジー

56年ぶりの優勝に期待する声は高まっていた

ケイン(中央)のPK失敗が響き、フランスに敗れたイングランド。(C)Getty Images

 イングランド代表がフランスに1-2で敗れてワールドカップの準々決勝で敗れて以降、国全体がしぼんでいる。生活費の上昇、電車の運転手や郵便局員によるストライキなど、ここイングランドでは多くの社会問題が噴出しているため、サッカーはこれらの問題を忘れさせるのにうってつけだった。

 ファンは、イングランドの特に若手たちのパフォーマンスに期待を抱いていた。 ベルギー、ドイツ、ブラジルなどの強豪国がすでに敗退しており、56年ぶりの優勝に期待する声は高まっていた。イングランドは前回のワールドカップでベスト4、昨年のEURO では決勝に進んでおり、トーナメントを勝ち抜く経験もあった。

 だが、その夢はあっけなく散った。最大の難関だったフランスを打ち破ることができなかった。
 
 ガレス・サウスゲイト監督が留任するべきかについて、イングランドで意見が分かれている。 サッカー協会と選手たちは彼を支持しているが、多くのファンは彼の戦術に批判的だ。

 フランス戦では、後半の緊迫した試合で、チャレンジ精神が足りなかった。イングランドは優秀なバックアッパーがいたが、ゲームの終盤まで投入されなかった。 同点に追いついてから、畳み掛けて勝利を目ざすのではなく、試合を落ち着かせしまい、そして敗れた。

 選手、メディア、ファンはこぞって、審判に批判的だった。個人的にも良いとは思わなかったが、敗れたのは判定のせいではない。

 ドイツで開催される次のEUROまであと18か月。サウスゲイトの後任として、マウリシオ・ポチェッティーノやブレンダン・ロジャースの名前が挙がっているが、アルゼンチン人や北アイルランド人がイングランドを率いるのは奇妙に思える。

 いずれにしても、イングランド国内では世界制覇の千載一遇のチャンスを逃したという空気が漂っている。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

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