“軽傷”のガヤをメンバーから外したスペイン代表監督にバレンシア方面からブーイング。「裁判沙汰ものだ」といった過激な言葉も

2022年11月23日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

ガヤ本人は冷静に事態を受け止めているが

16日の練習中に右足首を捻挫しスペイン代表から離脱したガヤ(左)と、その決断を下したL・エンリケ監督。(C)Getty Images

 案の定というべきか——。怪我のため、スペイン代表のワールドカップメンバーからホセ・ルイス・ガヤを外す決断(代わりにバルセロナのアレハンドロ・バルデを招集)に踏み切ったルイス・エンリケ監督に対し、バレンシア方面からブーイングが浴びせられている。地元のスポーツ紙『スーペル・デポルテ』には「違法」、「裁判沙汰ものだ」といった過激な言葉が並ぶ。

 今大会は各国で直前の負傷による欠場者、離脱者が相次いでいるが、彼らが問題視しているのは、怪我の程度だ。ガヤの怪我は足首の軽度の捻挫とアナウンスされているが、『AS』紙によると、バレンシア帰還後に検査を行なったチームドクターの見解では、スペイン代表が初戦(コスタリカ戦)を戦う11月23日に仮にバレンシアの試合があったとした場合、100パーセント出場できないと断言できるほどの症状ではないという。
 
 26人の登録メンバー候補に入っていたブライス・メンデスとミケル・メリーノが揃って落選し、同じくファンやメディアの間でブーイングが起こっているレアル・ソシエダのケースを見ればわかるように、スペインでは「おらがチーム」でプレーする選手の招集の有無によって、代表に対する応援の熱量が上下する傾向がある。

 実際、このガヤの離脱を境に、バレンシアに拠点を置く『スーペル・デポルテ』紙は、「これで同じ目線では応援できなくなった」と非難している。救いは、バレンシアのキャプテンであり人格者として知られるガヤ本人が、少なくとも表向きは冷静にこの事態を受け止めていることだ。

 スペイン代表の左SBの定位置争いは熾烈だが、ガヤが「ポスト・ジョルディ・アルバ」の一番手であることに変わりはない。この挫折をバネに、27歳の今後の巻き返しに期待したい。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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