【CLポイント解説】「本来の姿」を捨てたアーセナルが、バイエルンを下す番狂わせ

2015年10月21日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

ポゼッション率に反比例して展開自体は拮抗していた。

アーセナル対バイエルン戦の結果&フォーメーション。

■ポイント1
アーセナルがバイエルンの攻撃に「慣れ」てくる

 
 序盤からバイエルンが完全に試合を支配。中盤のシャビ・アロンソとチアゴのパスで組み立て、左サイドのD・コスタの突破で崩すという今シーズンの王道パターンで幾度となく攻め込んだ。
 
 ただ、ビッグチャンスと呼べるのは、ワンツーでペナルティーエリア内に進入したチアゴがシュートした11分、敵のパスミスからD・コスタがミドルを放った42分のみ。20分くらいまでは相手を追い掛けるシーンが多いなど中途半端なポジショニングが目立っていたアーセナルだが、徐々に距離感を掴んでしっかり守備ブロックを形成するなど、いわばバイエルンの攻撃に「慣れ」てきたのだ。
 
 逆に、「守ってカウンター」に割り切ったアーセナルは、いずれも敵GKノイアーのビッグセーブに防がれたが7分にエジルのミドル、33分ウォルコットのヘディングで決定機を迎えた。前半のシュート数はアーセナルが10本、バイエルンが9本というデータが示す通り、バイエルンのボールポゼッション率が69%まで上がった割に、試合展開自体は拮抗していた。

次ページアーセナルは本来のスタイルではない堅守速攻を見事に完遂する。

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