「刃物を持って向かってきた」アーセナル保有DFが刺された無差別刺傷事件、犯人を拘束した元インテル選手が恐怖を回想「大きな叫び声を聞いた」

2022年10月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

「すべてがあっという間だった」

無差別刺傷事件で被害に遭ったパブロ・マリ。(C)Getty Images

 10月27日にミラノ近郊のスーパーマーケットで発生した無差別刺傷事件で、アーセナルからモンツァにレンタル移籍中のパブロ・マリが刺されたとの知らせは、サッカー界を戦慄させた。

 幸いにも命に別状なく、28日に本人は妻と親指を上げている写真をSNSに投稿している。イタリア・メディアによると、パブロ・マリは同日に手術を受け、復帰には2~3か月を要するようだ。

 今回の事件では、もうひとりのサッカー関係者も話題となった。イタリア・メディアによると、現場の混乱の中で犯人を取り押さえたひとりが、元プロサッカー選手のマッシモ・タランティーノという。

『Gazzetta dello Sport』紙によると、タランティーノは1989年から96年までナポリでプレー。インテルにも1シーズン在籍し、ボローニャでは5シーズンにわたってプレーした。モンツァにも所属した経験がある。引退後はスポーツディレクターとなり、ボローニャやローマの下部組織で働いた。昨季は現在セリエBのスパルでテクニカルディレクターを務めた人物だ。
 
 そのタランティーノは、衛星放送『Sky Sport』のインタビューで、事件当時を「すべてがあっという間だった」と振り返っている。

「妻と娘とレジにいて、とても大きな叫び声を聞いた。突然、助けを求める傷を負った男性が出てきた。パニックだったよ。あれだけの血の理由が分からなかった。それから手に刃物を持った別の人が我々のほうに向かってきたんだ。本能的に妻子を遠ざけた」

 タランティーノは「自分と襲撃者の間に刺された別の従業員がいて、彼らが転んだとき、犯人の手を蹴ってナイフを飛ばし、それを遠ざけたんだ。そして犯人を抑えた。それ以上は抵抗しないで倒れていたよ」と続けた。

「ああいうときは何をすべきか計算などできない。本能的に守ろうとした。それから犯人が倒れていると分かって、逃げなかったんだ。私は間違ったタイミングで間違った場所に居合わせたが、その中で正しい決断ができたというところだろうか」

 彼の言葉からも、居合わせた人々の恐怖がうかがえる。今回の事件ではパブロ・マリを含む負傷者が出たほか、従業員の1名が命を落とした。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【画像】無差別刺傷事件で刺されたパブロ・マリ、入院先で妻との元気そうな2ショットを投稿

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