「妻を抱きしめても、何も感じない」イニエスタが自身の経験した壮絶な“うつ”体験を改めて振り返る「薬を飲んで寝る時だけが…」

2022年10月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

「人生の問題に対処するのはとても難しい」

自身の壮絶な過去を明かしたイニエスタ。(C)Getty Images

 ヴィッセル神戸所属の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが、母国のポッドキャスト番組『The Wild Project』に出演し、自身の「うつ病」体験について改めて振り返った。

 現在38歳のイニエスタは、ラ・リーガのバルセロナに20年間在籍し、リーグ優勝を9回、チャンピオンズリーグ制覇を4回達成している。スペイン代表としても2度のEURO制覇、ワールドカップ戴冠という、フットボーラーとして誰もが羨む人生を送りながらも、2009年夏にリーガ、国内カップ、チャンピオンズリーグの3冠を達成した直後、うつに襲われたという。

 このことは16年に発行された自伝で明らかにされ、18年には、1度ではなく2度、同じ状態に悩まされたと告白している。

 名手は、その時の壮絶な状況と心境をこう明かした。
 
「日々が楽しめなくなり、周りの人が無関係な人に見え始めた。感情を失って、情熱を失って、少しずつ空っぽになっていったんだ。家でも何かが起こるのではないかと、心臓が常にせわしなかった。

 この病気と闘っている時は、薬を飲んで、寝るときが1日で一番いい時間だった。妻を抱きしめても、それは枕を抱きしめているようなもので、何も感じないんだ。生きる気力を失っていた」

 また、現在は治療によりうつから脱しているものの、セラピーを受け続けていることも明かしている。

「自分自身を平穏に保つ必要があるから、今でもセラピーには通っている。専門家がメンタルヘルスやうつ病について話すのを聞くのは興味深い。それに、人生でうつ病やメンタルヘルスは誰にでも起こり得るものだと教えてくれる。物理的な問題とはまた違うんだ。たとえ、世界中の車や多くのモノを手に入れられたとしても、人生の問題に対処するのはとても難しいんだ」

 いずれはバルセロナへの"帰還"も示唆しているイニエスタ。しかし、慣れ親しんだ母国とクラブから離れた日本で選手生活を続けることは、彼自身の心身にとっても重要な選択だったのかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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