「まさに“ラスボス”」の広島を倒して戴冠! 吉田監督は「小さなこと」を忠実に実行した選手たちを称える

2022年10月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

「何から、どこから話せば良いのかまだ整理できていません」

天皇杯初優勝の甲府。吉田監督は「嬉しくてしょうがないです」と喜ぶ。(C)SOCCER DIGEST

[天皇杯決勝]甲府1(5PK4)1広島/10月16日/日産スタジアム

 ヴァンフォーレ甲府は10月16日、天皇杯の決勝でサンフレッチェ広島と対戦。試合は1-1で延長戦の120分でも決着がつかず、PK戦に突入。5人全員が成功させた甲府が初優勝に輝いた。

 甲府にタイトルをもたらした吉田達磨監督は、「何から、どこから話せばいいのかまだ整理できていません」と戸惑いながら、「様々な種類の苦しさを乗り越えて、今日、優勝カップを掲げて日本一になった」「まずは、全てのヴァンフォーレ甲府に関わる皆様に感謝を伝えたい」と語った。

 22チームが鎬を削るJ2リーグでは現在18位に沈んでいるが、天皇杯では3回戦の北海道コンサドーレ札幌戦から対J1勢に5連勝。札幌(2-1)に続き、4回戦ではサガン鳥栖(3-1)、準々決勝でアビスパ福岡(2-1)、準決勝で鹿島アントラーズ(1-0)を次々と倒して勝ち進んできた。

 吉田監督は「J1のチームと4回対戦し、前回の鹿島戦の勝利で大きな自信を手に入れました。広島は倒せるかどうか、よろけさせることすらできないかもしれないほど巨大な相手。まさに"ラスボス"」と表現。そんな相手に「僕たちがどうやって攻略するのか、糸口も見つからないまま」だったと明かす。
 
 そんな状況で指揮官は、「我々の積み上げてきた切り替えとか、自陣でしっかり守るとか、そんな小さなこと。選手が忠実に実行してくれた」結果、勝利に近づいたとし、以下のように語った。

「たくさんの初めてがあるなかで、FW三平からGK河田まで、ピッチに立った11人が目標に向かって走り続けた。我々は本当に小さなクラブ。直近でもリーグ戦で7連敗中。ただ、内容も悪いわけではなく、次こそはとあらゆることに手を尽くしながらチャレンジしてきました」

「僕たちはチャレンジャー。それを選手たちが忠実に実行してくれました。ただ、僕たちは3日後に(J2リーグの)試合がある。皆さんも、まさかJ2のチームが決勝まで勝ち上がると思っていなかったでしょうから。これからも大変な日々は続きますが、(天皇杯の優勝で)ACLにチャレンジできる。J2のチームでは経験できないようなチャンスがあるんだと全員で意識していました。今は淡々としゃべっていますが、嬉しくてしょうがないです」

「(今日のような)奇跡をどうするかはこれからの自分たちにかかっています。この結果を自信に変えて、リーグ戦でも歓喜が生まれるように臨みたいです」

 天皇杯チャンピオンとなった甲府は次戦10月19日にJ2第41節で、FC町田ゼルビアと敵地で対戦する。甲府はリーグでは7連敗中で11戦勝利なし。久々の白星を掴めるか注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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