【セルジオ越後】スタメン総入れ替え? 意味が分からないね。三笘は起用法より実力そのものが疑問だ

2022年09月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

ドイツ戦に負けたらターンオーバーできないよ

シュミットのおかげで引き分けられたけど、内容的には負け試合だったね。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 ドイツ遠征2戦目で、日本はエクアドルと対戦し、0-0で引き分けた。

 エクアドルは、23日に日本が2-0で勝ったアメリカよりも、はるかに質が高かった。アメリカは、ドリブルのスキルが無いからパス回ししかできなかった。それに対して、エクアドルはドリブル、スピード、フェイントなどが優れていて、日本は思うようなプレーをさせてもらえなかった。

 特に前半は一方的にやられていたね。前半からビッグセーブを連発して、83分にPKを止めたシュミットのおかげで何とか引き分けに持ち込めたけど、内容的には負け試合だった。アメリカには勝ったとはいえ、6月のブラジル戦(0-1)やチュニジア戦(0-3)など、ワールドカップに出てくるレベルのチームと戦うと、劣勢になってしまうのが今の日本だ。

 山根と長友の両サイドバックはなかなか攻め上がれなかった。これは、2人の責任ではなくて、相手のレベルが高くなると、今の日本は守りを強いられるから、下がらざるを得ないんだ。

 鎌田は良い攻撃をしていたけど、柴崎や南野、三笘はうまくいかなかった。三笘は先発かスーパーサブかとも言われているけど、ブラジル戦やチュニジア戦同様、エクアドル相手にも効果的なドリブルは見せられなかった。起用法より前に、自分のレベルを見つめるべきだ。
 
 戦いぶりに隙がなかったエクアドルは、日本がワールドカップで対戦するドイツやスペインには及ばないけど、仮想コスタリカにはなったと思う。

 ただ、アメリカ戦からスタメンを全員入れ替えたのは、意味が分からなかった。今回は6人交代できるし、カタール・ワールドカップでも5人交代できる。例えば、伊東はアメリカ戦では68分で交代しているから、エクアドル戦もスタメンで出られたはず。本大会で2戦目のコスタリカ戦を想定したとしても、初戦のドイツ戦に負けたらターンオーバーできないよね。

 アメリカ戦が良い出来で、エクアドル戦が不出来に見えたかもしれないけど、それは日本よりも相手のレベルが上がったから。アメリカが相手ならば、今日のメンバーも良いプレーができたはず。選考で落とすため? と勘ぐってしまうよ。

 もっとも、今日の試合は日本にとってはポジティブな要素になったと思う。試合の順番が逆で、エクアドル戦の後にアメリカ戦だったら、ワールドカップを軽く見てしまったかもしれないから。厳しい試合で引き締まったと考えれば、良かったんじゃないかな。

【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、77歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。

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